第六章 Perfect Breaker
残滓の刃
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分散した力ではこのライダーは倒せない。
アルカンシェル発射まで8分を切った今、時間を掛けている余裕はない。
ならば、狙うのは一撃。それも、初撃必殺の一発だ。
背後に展開させた翼のようなエネルギーを、一瞬のうちに手の中へ。
それは矢の形になる前に弓の元に据えられ、引かれるとともに矢の形状へと変化した。
そして放たれる、ピンクの矢。
字体は物凄く可愛く見えるが、実際の物はそんな生半可なものではない。
まどかにしてみれば、オーガを貫き、そのままエスティア内部へのダメージを与えるつもりで放った一撃だ。
しかしこうして今、オーガとまどかの交戦が続いているということは、それが失敗したことに他ならない。
振るわれるオーガストランザーは、先端が二又になった剣の形をしたエネルギーを纏った剣だ。
それが肥大し、巨大な剣の形にして振るうが故の大剣。
宇宙空間でも宙を自由に動けるまどかに対して、オーガは違う。
しかし、それでもまどかを追い詰めているのは、それが原因だ。
どれだけ離れても、どれだけ大きく回避しても、その刃はまどかの身体を完全に逃すことを許さない。
簡単な話、オーガストランザーの長さ、大きさには、限界がないのだ。
「どうした。逃げてばかりでは、オレは倒せないぞ!!」
(このままじゃ、勝てても時間がかかりすぎちゃうよ!ど、どうしよう・・・・・)
撃破出来るだけの威力を込めた初撃は、あの刃によって砕かれてしまった。
弾幕を張っても、それは同じだろう。
あの刃の面で受ければいいだけの話。
弓は遠距離。
剣は近距離。
相手との距離を取り続ければ、弓が勝つのは道理―――――
しかし、ここではその道理がねじ曲がってしまっている。
距離を取っているはずの弓が逃げ回り、相手が距離を取っているのにもかかわらず、剣が有利なのだから。
(えっとえっと・・・・た、確かこういう時には・・・・・)
鹿目まどかという少女は、実際の戦闘の経験は皆無だ。
他の時間軸の記憶を知ったからと言って、彼女自身が戦いを経験したわけではない。
フロニャルドでの戦興行も、メイン戦力はさやか、杏子、マミだったために参加したとは言い難い。
だが、その分「EARTH」のメンバーからの指導は一番しっかり聞いていた。
他の四人は自分の戦い方をすでに確立させていた分、彼女は自分なりの戦い方を知る必要があった。
そして、その指導を思い出し―――――!!
「そうだ!!」
テスト中にやっと答えが浮かんだ、というように、パァッと笑顔が咲くまどか。
(これならいける・・・・でも、問題は――――!!)
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