第六章 Perfect Breaker
戦闘への覚悟
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理想に向かって走り出した。
彼に賛同する者も、少なかったが存在した。
一人の少女と、一人の青年だ。たった三人だけの彼等だったが、とても心強かった。
しかし
その内の少女は化け物だと疎まれ、挙句人間によって殺された。
少女は、人間の生き方を誰よりも望んでいた。
それを事もあろうか、人間が奪い去ったのだ。
そして彼は復讐を決意する。
ライダーズギア(ファイズ系統のライダーベルト)を研究し、秘密裏に新たなるベルトを設計していたのだ。
だが、それの実現よりも早く、彼は新たなる希望を見出した。
その希望――――乾巧に自らの理想を託し、彼はオルフェノクの王と戦い、そして結果消滅した。
彼が着けているのは、その秘密裏に設計されたベルトだ。
原典から呼び出された彼には、これを装着したことはない。
だが、まるで別の自分が知っているかのように、このベルトはしっくりきているのだ。
「僕の理想は、やはり夢物語だったのだろうか・・・・・?」
「そんなことないです」
オーガの自問を、まどかは堂々と否定した。
彼女は彼が経験してきたことや、その真意を知らない。
だが願っていることは、わかる気がした。
「いまこの世界には、いろんな人がいます。もちろん、暴れてみんなに迷惑をかけるのもいます。でも、それだけじゃない人が、たくさんいます!!」
鹿目まどかも知っている。
化け物として生きることになってしまった、少女たちの哀れな末路を。
彼女の親友はそれに絶望し、人間としての生き方を捨ててしまったほどだ。
人間は、脆く弱い。
たとえ自分自身であろうとも、他と異なる存在を簡単に拒絶し、拒否し、否定する。
その存在を、決して許さない。
「それでも、私たちは生きています。人間として」
一度絶望した彼女たちでも、今はこうして人間として生きている。
結果論かもしれない。
もしもまだ、彼女たちの魂がソウルジェムとして囚われていたとしたら、こんな生き方は出来なかったかもしれない。
しかし、それでも
「私たちには、たくさんの苦悩がありました。誰にも打ち明けられない苦悩。他者の幸せを願い、不幸にしてしまった苦悩。信じていた物に裏切られてしまった苦悩。たった一人で戦う苦悩。そして誰も救うことのできない、苦悩」
それは誰にでもある物だ。
人間だとか、そうでないだとか、そんなことは大した問題ではない。
人は誰しも、誰かに認められたいと願っている。
それは決して恥ずべきことではない。
どんなにみっともない人間でも、どれだけ最底辺に存在する人間でも、それを願うことは決して臆してはならない。
それをためらっ
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