第六章 Perfect Breaker
戦闘への覚悟
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「・・・・・・・」
「理由は人それぞれだ。暴れたい。やりきれない思いを発散したい。強さを確かめたい。俺の場合はな、天道。お前を越えたい、だ」
「お前が死んだとき、俺はお前に敬意を抱いていた」
サーヴァント召喚における戦闘への意欲。
それを開設するサソードに、呆れたような溜息と共に、カブトが独白する。
「俺が尊敬する人物は、この世に二人。おばあちゃんと、お前の爺やだ。だが、素晴らしいと認める人物は、そこそこいる」
「その一人が、おれだと?」
「お前は自らの存在を憎みながらもそれから目を背けることなく戦い、そしてついにすべてのワームを滅ぼした。お前なくして、ワームとの戦いに決着はなかった」
「俺はすべてにおいて頂点に立つ男だからな」
「だが今のお前は違う」
カブトが手を少し上げる。
空気すら存在しない宇宙空間が、揺らいだように見える。
「今のお前は、頂点などというちっぽけな一点を目指すお坊ちゃんだ。頂点に立つことに何の意味がある」
「頂点に立つことは、無駄だと?」
サソードの剣を握る手に、力が籠められる。
すでにライダーフォームである腰のベルトに、ゆっくりと手が伸びていく。
「その向上心は無駄とは言わん。しかし、頂点を目指すのは無駄だと言うことだ」
「・・・・・なぜだ」
サソードの剣が、脚に添えるように下げられる。
ベルトに伸びた手が接するまで、あと10センチもない。
「何故そう言いきれる?」
「・・・おばあちゃんが言っていた。頂点に立つ男は常に一人。ならば、その人物は決まっている」
手を伸ばしていたカブトの手の、人差し指がゆっくりと天を指す。
「天の道を行き、総てを司る。この俺を置いて、他にいないと」
言い終わった、瞬間
「クロックアップ!!」《CLOCK UP》
ガチンッ!!《RIDER SLASH》
「ハイパーキャストオフ!!」
《Hyper Castoff》
サソードはクロックアップとライダースラッシュを同時に発動。
クロックアップの高速世界を、紫の毒液を纏った斬撃波が飛来していく。
対し、同じタイミングでカブトは掴み取ったハイパーゼクターを装着、ハイパーキャストオフを展開した。
しかし、一瞬遅い。
ハイパークロックアップが発動するまでの刹那の時。
その間に飛来したライダースラッシュは、ハイパーカブトの胸部に直撃し、火花を散らしながらその身体を後方へと吹き飛ばした。
「ガッ、グゥ!!」
「頂点に立つことは無意味だと言ったな?」
ザッ
サソードが間合いを詰める。
やはり、斬撃波では止めを刺すのには足りないと悟ったのだろう。
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