第六章 Perfect Breaker
世代の戦い
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ジが一気に五発も充填される。
掛け値なしの最後の一撃。狙うべき攻撃は、一つ。
対し、ゼストの全身を包んでいた黄金の魔力は槍の先端部を追い尽くした。
身体を覆うそれらすべてを犠牲にし、絶対一撃必殺の矛とならん――――!!!
「火竜一閃!!!」
「轟槍絶空――――!!!」
炎に包まれたレヴァンティンが、連結刃となって暴れまわる。
ゼストの正面から襲い掛かり、それが弾かれると今度は上下左右の四方から襲い掛かって行った。
だが、飛行に使う分を残し、ゼストの全ての魔力を注ぎ込んだ槍に簡単に弾き飛ばされていってしまう。
しかも、ゼストは四方の全てを弾くのではなく、最初に襲い掛かるであろう下からの攻撃を弾いただけだった。
その一撃によって、連結刃はすべて揺れ、まとめてあらぬ方向へと弾かれてしまう。
「グッ・・・う!?」
その一発弾くだけで、肩ごと持って行かれそうになるシグナム。
それを食いしばって、無理矢理引き戻す。
筋肉は悲鳴を上げ、骨は軋んできた。
もはや対面も何もなく、唾液すら垂れてしまってもシグナムはゼストへの攻撃をやめない。
全ては、一撃のために―――――
しかし、すでにゼストは彼女の懐へ。
そこから一気に横薙ぎされた槍を、シグナムは鞘で受けた。
だが、砕けるのは目に見えている。
ゼストは止まらない自身の身体を呪いながら、その槍を振り抜け―――――
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『おい渡』
「ガ、ガルル?」
音也が自身の身体を止めている間にも、紋章は力を弱めることなくキバを縛り続けていた。
紋章そのものからもダメージが来ているため、渡は中々抜け出すことが出来ていないのだ。
だが、その時間を利用してガルルは渡に語りかけた。
『音也は、なんのために戦ったと思う?』
「え・・・・」
『音也が自分の命を懸け、たとえ勝ったとしても死ぬ。あの鎧をまとい、それでもキングと戦った音也は、何のために死んだ?』
音也が死んでから、渡を導いてきたガルル。
それは、死んだ親友の最期の頼みが故に。
だが、その息子が「父親を救いたい」といって、その命を無為にするのならば―――――
『いいか渡。音也は自分が死ぬとしても、その魂を受けついでくれるお前がいたからこそ、死ぬことも恐れず戦ったのだぞ。その音也を、あの悪漢の手先として他の奴らに倒されるなど、俺は我慢ならん』
「・・・・・」
『音也の死は、確かに覆したい。しかし、今考えるべきことはそれよりも――――――』
「父
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