第六章 Perfect Breaker
ランスターの弾丸
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
物の形態があったのだろう。
強くなったなぁ、と感慨深くなってくるティーダ。
そこに、当の本人が現れた。
良くやった、と声をかけようとして振り向くティーダ。
しかし、言葉に詰まってしまった。
「おま・・・それ・・・」
「え?何か変?」
「ライフル?」
ティアナが所持していたのは、クロスミラージュを長距離狙撃砲撃の可能なライフルタイプへと変えた、ブレイズモードだ。
しかし、それは読んで字の如く遠距離、ロングレンジで活用すべき形態だ。間違ってもこんな近距離で使うものではない。
「おまえ・・・・あの弾丸をどう防いだ?」
「防御だけは、それこそ神経が磨り減るまで教え込まれたから」
「じゃあ・・・あれは?」
ティーダが仰向けのまま、破壊された壁を見て聞く。
それにティアナは、さっきよりもケロっ、とした顔で、簡単に言ってのけた。
「こうやって―――――」
大きなブレイズモードを振り上げ
「こう!!」
それを振りおろし、同時に発砲。
その威力の相乗効果で、遠くの壁が粉々に吹き飛ばされた。
「模擬戦を思い出した時に考えたの。これ大きいから、遠心力も相まってすごいのよ。これが、どんな障害もブチ破る、「私の」ランスターの弾丸よ」
そう言って、クロスミラージュをツーハンドモードに戻してティーダに付きつける。
「投降してください。兄さん」
「・・・・・・・できると思うか?俺はあくまでもサーヴァントだ」
「でも・・・・」
「それに、どっちにしろもう遅い」
そう言って、ティーダが腹をめくり上げる。
ティーダの肉体は、そこから粒子となってゆっくりと消えて行っていた。
「そんな・・・」
「そんな顔すんな。俺はもともと死人。こうなるのが自然だ」
「でも・・・でも!!やっと、やっと兄さんに・・・・」
「ああ、ティアナ」
言葉を乱しながらも、まったく揺らがず銃口を向けるティアナ。
そのティアナに、ティーダが手を伸ばして頭に乗せた。
「ありがとうな。ランスターの弾丸は、間違いなくすべてを打ち抜くと証明できた」
「え・・・・・・」
「俺の弾丸は素通りだ。でも、お前のは真っ向からブチ破った。それがお前の強さだよ。ティアナ」
「うん」
「ごめんなぁ・・・・俺が変なことで死んだから、お前大変だったろ」
「友達がいたから、大丈夫だった・・・・・」
「それに、いろいろと背負わせちまって、辛かっただろう?」
「いい師匠がいたから・・・・」
「そうか・・・・ティアナ。お前は、一人じゃなかったんだな?」
「うん」
「あの泣き虫が、ここまで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ