第六章 Perfect Breaker
ランスターの弾丸
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諦めのいい根性の持ち主ではないと言うことだ。
ビルに突き刺さったクロスミラージュから、ビィンとオレンジの紐が伸びる。
それはティアナがもつもう一丁のクロスミラージュと繋がり、そしてそこから一気にティアナが――――飛び出してきた。
「なぁ!?」
ティーダが見ると、ビルに突き刺さったクロスミラージュは魔法陣を発していた。
恐らくは抜けないようにするものだろう。
一瞬前ならともかく、もはや突き刺さっている部分の破壊でティアナを落すのは無理だと判断したティーダは、ティアナに向かって銃口を向けた。
「牽引力に身を任せたのはいいが、アーチャーに一直線に向かってくるのがどういうことかわかっているだろうな!!!」
ティアナは今、一直線にティーダのいるビルへと向かってきている。
これではアーチャーでなくとも、容易に撃ち落すことができるだろう。
当然のように、ティーダは発砲する。
しかし、その軌道上からティアナが姿を消した。
「なに!?」
ティアナは発砲の瞬間に魔力ワイヤーを弛緩させ、弓なりに下降しながら弾丸を回避したのだ。
ブラァン、と言うには表現が足りないような勢いで、一気に下降するティアナ。
ティーダはその動きと、その後のティアナの動きを読んでさらに発砲。
そして、ティアナは再びワイヤーを一気に牽引させた。
緩やかな円を描きながら落ちていたティアナは、グンッッ!!と光れて再び一直線にティーダへと向かって行った。
高さにして、二階まで下がっていたティアナは肩に少しの痛みを感じながら、一気に上昇して兄の元へと突っ込んでいく。
だが、ティーダはそれを予測していないわけがなかった。
弓なりの動きの先に打たれた弾丸は外れるが、この動きを予測して放っていた弾丸がティアナの肩を掠めていく。
掠める程度で済んだのは、予測段階で撃たれた弾丸だからか。
しかし、今度は確実にティアナを、もしくは手元のクロスミラージュを狙ってくるだろう。
(残り距離はもう10メートルもない!!本来ならここで撃つか撃たれるかになるが・・・・俺が外すと思うか!!)
(って思うでしょう!?)
ティーダが銃口を構えてティアナに向ける。
もう目の前だ。残り5メートル。
ティアナの目の前に、ほぼ銃口が当たるとこまで接近し―――――
ティアナが、思い切り腕を振った。
その反動でワイヤーは波を打ち、ティアナの身体は一気に打ち上げられた。
ティーダからすれば、大きな状況変化だ。
下斜めから急接近していた敵が、急に上斜めから襲いくるのだから・・・!!
「な!?」
驚きの声を上げるティーダ。
ティアナはその一瞬の動作の中でも体勢
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