第六章 Perfect Breaker
ランスターの弾丸
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丸は行き交うが、ティアナはそのままビルの隙間の路地裏へと入り込んでいってしまう。
(ハハッ、やるじゃないか・・・・・)
(銃という武器の優位性は、圧倒的なロングレンジからの攻撃。クロスレンジでの戦いもあるけれど、この場合は)
(なるほど、姿を隠した方、先に姿を隠した方が優位、ということか!!俺はここの地形に疎い。俺も隠れて見失ったら負けるな・・・・)
「成長しているじゃないか、ティア」
「くっ、即座に理解して追って来るなんて・・・・」
「お前よりも先輩の執務官だぞ?それに加えて・・・・お兄ちゃんを舐めるなよ!!」
ティアナを追うティーダが、銃口を上に向けてから、腕を前斜め、扇ぐように降ろしながら一斉発砲した。
思わず上方へと視線が向くティアナ。しかし、即座に顔を青くして前を向いて走り出す。
《サー。この速度では足りません。潰れます》
「わかってるわよッ!!あー、なんだか模擬戦思い出してきたっ!!」
《あれは悪夢でしたね》
「言うなッ!!」
細い路地裏の中、左右のビルが崩壊していく。
降り注ぐ瓦礫の中、涙目になりながら猛ダッシュしていくティアナ。
しかし、降り注ぐ瓦礫よりも何が恐ろしいかというと、背後から感じる視線が一瞬も離れないと言うことだ。
「この中で見失ってないってこと・・・?」
しかし、いまはとにかく逃げだ。
ビルの隙間から土煙がドフンッッ!!と噴出し、それに押されるような形で、一瞬遅れてティアナが飛び出してきた。
いつの間にか廃棄都市エリアに入ったらしい。
ティアナが飛び出してきたのは、円形の広場だ。
月明かりもない夜の時間。
大通りと違って街灯もなく、遠くの光が弱々しく届いているのみ。
『クロスミラージュ』
《申し訳ありません。見失いました》
念話でクロスミラージュに確認を取るが、予想通り過ぎる返答にがっくりと肩を落とす。
しかし、落ち込んでいる暇はない。
そうしながらも広場に隣接する、廃棄されたマンションの中へと入って行き、四階まで上がってから膝をついて一息を入れる。
(残った魔力量は40%。撃ち合いで結構使ったわね・・・・カートリッジと併用しててこれなんだから嫌になるわ)
周囲への警戒を怠ることなく、さらにポケットのカートリッジの残りを確認する。残りカートリッジ弾数は8発。
クロスミラージュ一丁に二発ずつだとして、左右で四発。それが二回分。
対して、相手に底は無し。
『泣きたい・・・・』
《ガンバです。サー》
はぁあ・・・と半ば涙目になって溜息をもらすティアナ。
そして、兄の行動パターンをファイル化しようとして頭を上げた瞬間、何か
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