第六章 Perfect Breaker
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てことだ。お前、数年前までは魔術協会の施設に軟禁状態だったんだな?」
「へえ。そこまで調べたってことは・・・・行ったのか?俺の家に」
「いや?お前あそこ跡形もなく吹きとばしてんじゃん」
一刀が資料を見ると、セルトマンが軟禁されていた屋敷はすでに跡形もなく吹き飛びクレーターになっていた。
だが、その情報源である魔術師たちを締め上げて聞けた話の方がはるかに重要だった。
「さてま・・・・そんな知ってる話はどうだっていい。問題は」
「俺が何で、立華奏を狙ったか?」
そう。一刀が言及しようとしているのはそこだ。
とはいえ、彼の中ではすでに答えは出ている。あくまでもこれは確認作業。
「あいつらは言っていた。お前の使う魔術は、繰り返し展開されると。そして、舜から聞いた世界の話から推測するに―――――お前の起源は、流転か循環。若しくはその両方・・・・違うか?」
「いや、流石・・・・・まったく。正解だよ、一刀」
手を広げて応えるセルトマン。
魔術師、アーヴ・セルトマン。その起源は「流転と循環」。
即ち、一巡して戻ってくる、ということ。
確かに、それさえ体現できれば人間として完全な存在となるだろう。
未だ科学でも魔術でも再現できない、完全永久機関として、セルトマン本人が存在することになるのだから。
「奏ちゃんは、死後の世界とかいうところに行って、そしてこの世界に転生という形で帰ってきた」
「生と死の循環ほど、強力で強大なものはないからな。ライフストリームの流れで手っ取り早くやっても良かったんだが、やっぱりこっちの方が質がいい」
一個人の死後から現世への命の循環。
その流れを奏の魂から逆探知のように読み取り、パターンを取り込んだことで彼の起源は最大級にまで強力に仕上げていた。
だが、それでも謎は残っている。
「解せないのはなんでわざわざ奏ちゃんだったんだ?ってこと」
「おぅ?そこまでわかっててそれを聞くの?死後の世界からの転生だからって」
「だったらこの世界の人間、いくらでもいそうじゃないか。なんでか知らんが理樹を襲ってまで奏ちゃんにこだわったのは、なんでだ?」
一刀の言葉はまさしく正論だ。
輪廻転生した魂ならば、この世界の人間のほとんどにあてはまるだろう。
もしも結合前の人間では不安だと言うならば、新生児でも良かったはず。
それでも、彼は立華奏にこだわった。
それは、なぜか
「だってほら、おっさんやるよりかわいいあの子の方が――――」
「ざけんなバカ。そっちのが確実だからだろうが」
セルトマンのふざけた台詞。
それを、やっと到着した蒔風の言葉が遮った。
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