第六章 Perfect Breaker
砕けぬ完全
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らでも喰らっている。
しかし、それはそれ以上の威力で放たれたオフィナの攻撃にかき消されてしまっていた。
仮に、それが蒔風の獄炎でもショウの波動砲でも同じだろう。
あれは炎や波動をエネルギーとして打ち出したものであり、実体がある。
ただ炎をブチかます攻撃でも、振り回した腕にかき消されたりするだろう。
だが、クウガのこれはワケが違う。
身体に瞬間着火するのだ。同攻撃力で吹き飛ばそうとするとして、一体何を吹き飛ばすと言うのか。
「あっ――――ちぃいいいいい!!!」
ゴロゴロと転がって、炎に苦しむオフィナ。
とはいっても、炎のついた身体をかなりの力で振り回せば火も消える。
事実、オフィナは燃え上がった身体を、そうやって消火していた。
転がりながらクウガから離れ、その掌から逃げていく。
しかし、その動きもだんだんと緩慢になって行き、ついには大の字なって地面に倒れてしまったのだ。
「倒した・・・・?」
「ハァ・・・ハァ・・・・・」
疑問形ながらも希望を込めた津上と、ガクリと膝をついてしまうクウガ。
しかし、長門はオフィナへの警戒を解いていない。
「・・・・ダメだこりゃ」
「「!!」」
仰向けに倒れたオフィナがぼやいた。
咄嗟に身構える二人だが、オフィナは頭をガシガシとしながら上半身を起こす。
「こりゃ無理だ。相性が悪い。確かそれ、プラズマによる発火だっけか?」
オフィナが一人しゃべるが、誰も返さない。
しかし、それを異に返すことなくオフィナは続ける。
「今の俺にゃぁ、それを吹き飛ばすだけのことは出来ねぇな。フォンみてぇな力がありゃぁ別なんだが」
「どうする?降参でもするか?」
「しねーよ。言ったろ、「今は」ってよ」
そう言って、よっこらしょと立ち上がるオフィナ。
治りつつある火傷をさすって「イテー」と言いながら、彼らに背を向けてその場を去ろうとした。
「おい、待て!!どこへ行く!!」
「あぁ?どこってお前、帰るんだよ。今の俺の完全じゃ、まだお前に勝てないからな。ゆっくり完全を練り上げてまた再戦だ」
決着はその時につけようぜ。
そう言って、ヒラヒラと手を振る。
そう。仮に彼等を追い詰めたとしても、それに相手が乗りかかって来るかどうかは別問題なのだ。
彼等の完全の暴走とは、通常の向上では間に合わないのを、自らの崩壊を代償に一気に押し上げるブースターだ。
つまり、暴走して得た力というのは、そうしなくともいずれは彼らが手にする力。
ならば、負けたり追い込まれたりしたら無理をせず、撤退してその間にでも完全の力を向上させていればいいのだ。
前の三人はそんな判断のできる状態
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