第六章 Perfect Breaker
追い詰められた翼
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まう。
「ガぅ・・・・」
「俺の攻撃力では、いくら硬い体で攻撃しても重さも威力も足りん。しかし、骨そのものに響くように攻撃すれば・・・・この通りだ」
ビシィ!!と、よろける蒔風の額に、デコピンをぶつけるアライア。
その一撃で額が割れ、もんどりうって倒れる蒔風。
転がるように距離を取る蒔風に、悠々と歩いて近づくアライア。
「無様無様!!だがなかなか楽しかったぞ、銀白の。我が真の完全も目覚めさせてくれたしな。その感謝の意を込めて貴様が生きようとする限りオレは貴様を仕留めないでおいてやろう!!」
嘲笑いながら、蒔風へと余裕の笑みを浮かべるアライア。
「しかし・・・・死なない程度には遊んでやるさ。耐え切れず、死にたくなったらいつでも言ってくれ、蒔風!!」
その言葉に悪態をつきながらも、蒔風がアライアの言うとおりに無様に転がり逃げる。
右手首はすでに砕かれた。
額からも血がだらだらと流れている。
アライアは、骨が皮一枚でむき出しになっている部分を狙って攻撃してきている。
後は肘や膝、こめかみだろう。
それ以外には脛や外腕か。いずれにしろ、攻撃を受けられる状況じゃない。
それでも、その中で蒔風は思考し、ある人物へと連絡を飛ばしていた。
『ああ・・・・いま言ったところに向かってくれ。そして、これらの物があるかどうかの確認を頼む―――――!!!』
ついさっきまでは、蒔風はショウと念話をしていた。
その結果、ある仮説が立てられる。
そして今、ある程度の推測が立てられた時点でその証明のために、念話を切り替え、「ある人物」に調査の依頼をしていた。
彼の思考は、アライアを倒すことではなく未だ「セルトマンが大聖杯をどこに接続したか」であった。
蒔風は、すでにアライアを倒すことを諦めてしまったのだろうか?
『―――――?』
『そうだ・・・こっち?お前がそう言う心配するなんて、何それちょっと怖い・・・・悪かったって。こっちは大丈夫だから、とっとと言って来い』
相手からの心配の言葉を茶化しながら、連絡を切って送り出す。
そして、転がり逃げながらもなんとか体勢を立て直し、少しずつ立ちあがって行く蒔風。
「すこーし、聞きたいんだけど?」
「なんだ?」
「お前、トイレっていつ行った?」
「・・・・・はぁ?」
「いやさ、お前らがのっとったビルよ・・・・昨日から掃除してないだろうから汚ねぇだろうなー、って思ってな・・・・」
「下らん話はやめろ。何か時間でも稼いでいるのか!!!」
ドゴォ!!
いまだ逃げる蒔風に苛立ったのか、アライアが地面を蹴ってさらに蒔風へと攻撃を加える。
そ
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