第六章 Perfect Breaker
追い詰められた翼
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たはずのもない。
ゼストは悟った。
あの時自分を狙い射出した剣は破洸撃を狙ったものだった。
そして宙でそれらは衝突し、その爆発で一気に、そして予想外の速度で自分を貫いたのだ・・・・・!!
グラリ、とゼストの身体が倒れる。
地面に落ちていき、そしてゼストがドスン、とその身体を大地に伏した。
それを追って、クラウドも着地する。
剣を握っていた手から力が抜け、ガラン、と地面に剣が落ちる。
戦いのさなかでは、アドレナリンの分泌で痛みを感じなかったが、腕にひびが入っているのだろう。
左手で右腕を押さえ、グラリと脚が揺れる。
「Sランクの魔道士・・・・大したものだった・・・・」
呟き、ゼストに声をかける。
他のサーヴァントと同じく、彼もまた消滅するのだろう。せめて、ひと声は駆けておきたかった。
しかし、地面に倒れたゼストの身体は―――どこも消滅していなかった。
それどころか、ムクリと起き上がってクラウドを見据えてきたではないか。
「な・・・に・・・!?」
「どうやら、俺の心臓を突くにはあれでは足りなかったようだな」
サーヴァントの霊核は頭と心臓部にある。
それのどちらかが破損され、サーヴァントは消滅するのだ。
無論、他の損傷でもそれがその二点を著しく脅かすほどの物ならば、致命傷になる。
だが、このゼストは
「スマンな。仕事柄、心臓は堅く守っているんだ」
自ら武人を名乗り、幾多もの戦いを繰り広げてきた彼は、急所となる心臓を特に魔力でコーティングして守っていた。
J・S事件時は蘇生体が故の衰弱から使用できなかったが、今ならばそんな制約はない。
なおも立ち上がってきたゼスト・グランガイツ。
しかし、クラウドはもはや満身創痍だ。
そもそも、一日経ったとはいえ先日にオフィナと交戦。
そして少し前には、フォーティーンを相手にしていたのだ。いくら知った敵であり、容易に倒せるとしてもそれはあくまでも当時と比較してのこと。体力の消耗は当然あった。
結論からして、クラウド・ストライフの総エネルギーは、MAX時の三分の二程度しかなかったのだ。
そこで、ゼストとの戦闘である。
体調はまだ支障をきたすものではなかったが、戦いが長引いてしまった今では、クラウドの体力はすでに限界だ。
(それでも、まだ最終手段がないわけではない・・・・・)
勇気集束。
行いさえすれば、体力、体調共に全快だ。
だが、まだオフィナがいる。
あれを追い詰め暴走させるとすれば、ショウと自分の二人で相手するしかない。
その為に、ここでその手札を切るわけにはいかない。
とはいえ、ここから撤退するだけの手段も、あるか
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