第六章 Perfect Breaker
追い詰められた翼
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回転しながら剣でそれ受けた。
そしていつの間にか分離させていた剣を右手に、ゼストの腹を下から突き刺した――――!!!
「ゴフッ!?」
クラウドのその剣は、クラウド自身でゼストの視界から隠しており、更にゼストは槍を突き立てている。
その下からの攻撃だ。喰らってしまうのは無理もない。
そしてクラウドはそこから攻勢に転じる。
突き刺した剣に魔洸を送り込み、破洸撃でそれを振り抜いてゼストを両断しようと腕に力がこもる。
「貰った・・・!!」
「オォッ!!させるか!!!」
しかし、ゼストの魔力に底はないのか。
噴き出した魔力がクラウドを吹き飛ばし、腹からも剣が抜けてしまう。
それでも破洸撃を放つクラウド。
上空のゼストをホーミングし、蒼い軌跡を描きながらゼストへと迫って行った。
それをバックステップとで回避し、背後から向かってくるそれを気にしながらも、クラウドへと一気に向かってくるゼスト。
ブォンブォン、と頭上で剣を回し、突きの前体勢のように剣を引いてかまえるクラウド。
上から来るゼストを睨み付け、クンと手首を少し捻った。
バシュッ!!という音と共に、弾丸のような速度で射出された剣が、ゼストへと向かって飛来していく。
突如として飛び出してきたそれの予想以上の速度にゼストが目を見開き驚く。
だが、その程度だ。
完全に不意を突いたそれをゼストは回避し、そのままクラウドに向かって斬り掛かって行った。
しかし、クラウドはその槍を大剣では受け無かった。
ここにきてクラウドは一歩踏み込み、先端の刃の付け根の柄を、握りしめてそれを止めたのだ――――!!
「なに!?」
「オォ!!!」
そして、大剣で斬り裂く。
だが咄嗟にゼストは槍の石突の方を動かし、その大剣を止めた。
「グッ・・・」
「この・・・・!!!」
ビタリと一致したその一点で、一本の槍の両端は攻めと守りを同時に行っていた。
先端でクラウドを斬れば、ゼストは大剣に身体を二つにされてしまうだろう。
一方クラウドも、大剣をずらせば反対の手のバランスが崩れ、槍は自分を斬り裂くことがわかっていた。
両者、動けず。
だがゼストは忘れていない。背後から飛来する破洸撃だ。
破洸撃が自分に命中する一瞬前に一気に動き、クラウドから離れるのだ。
そして、自分の放った攻撃で自滅させる。
破洸撃の距離と速度は解っている。
後はタイミングを合わすだけ。
そして、ゼストがそのタイミングを掴み――――
ドスゥッッ!!
「・・・・か・・・・!?」
左胸を、クラウドの剣が背後から貫いていた。
振り返ると、そこには誰もいない。迫ってい
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