第六章 Perfect Breaker
追い詰められた翼
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どんどん点になって行ってしまう。
故に、スバルはここで敵を二人で迎え撃つつもりだった。
しかし、ティアナはスバルに先に行くように叫んだ。
「いいの。ここは私に任せて」
「・・・・・本当に?」
「ええ」
この二人だからこそ、無駄な心配や気遣いは無用。
故に、それだけ言葉を交わせると、スバルはがんばって!と声をかけてから全力疾走で「EARTH」へと向かった。
マッハキャリバーの駆動音が彼方へと消え、あたりには風の音しかしない。
風がビルによって逸らされ、強いビル風となってツインテールとリボンを揺らす。
「ゼスト・グランガイツが出てきて・・・・もしかしたら、って思ったわ」
呟く。
さっきの弾丸は、見覚えがある。
「銃デバイス使いは敵のアジトに忍び込んだ時、どうしても発砲音で敵にばれることがある。だから、同波長の音を発するサウンドバレットを同時に打ち、音を掻き消す技術がある」
バイクが地面を削った音がはやてたちに聞こえなかったのはその為だろう。
しかし、それは一体どれだけの技量なのだろうか。
「そして、相手が乗り物に乗っているときは人命を第一に考え、機体ではなくタイヤを狙う。特に二輪車は、横からの衝撃に弱い―――――」
昔、聞いた話だった。
彼女はその話を聞き、そしてそれを実行してきたその人物に憧れた。
そして、執務官になる道を選んだのだ。
その、人物とは
「そうよね?――――――兄さん」
「ああ。よく覚えてるな、ティアナ」
ティアナの後ろ。
その道路の真ん中に、青年が歩いて出てきた。
ティアナがゆっくりと振り返る。
そこにいるのは、すでに死んだ自分の兄。
元時空管理局執務官、ティーダ・ランスターがそこにいた。
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「オォオッッ!!」
「ウォッ!!?」
ズバ、ゴッッ!!!
ゼストの振るった槍が空を裂き、それを受け止めたクラウドが歯を食いしばる。
飛来してきた黄金の斬撃は、クラウドの大剣を弾き飛ばし、もしくは打ち砕こうと回転しながらギリギリと押し込んできている。
黒翼を全開させ受けるクラウドだが、ここは空。
前から来る攻撃だけを気にしていては、死ぬことになる。
斬撃を逸らし、後方へと飛ばした。
その先にいたのは、回り込んできていたゼスト。
だが彼はそれを回避することもなく、自らの槍で絡みとり、纏わせ、再びその魔力を以って今度は直接斬りつけてきたではないか。
クラウドは立てていた身体を寝かせ、
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