第六章 Perfect Breaker
極と暴走
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らない。
(狙いは頭――――他を貫いても、この小さな穴では奴らは回復する・・・・)
蒔風の双眸が、アライアの眉間を見据える。
しかし
(―――とでも思っているのだろう。あのエネルギーの集め方では広範囲ではなく極めて一点集中型――――!!)
ならば、アライアは頭部の硬化を高めていく。
とはいっても、硬くなるのは頭部のみではない。それは全身への硬化であり、そんな局所的効果は出来ないのだ。
(しかし関係ない。俺があの攻撃をものともしなかったとき、俺は完全に奴を越える!!)
アライアは確かにとんでもない硬度を誇っているが、瞬間的に硬化することは出来ない。
現時点の彼では、そんなことをすれば急な硬度に身体が砕け、バラバラになってしまうからだ。
(とはいえ、いずれは至る領域だがな)
ゆえに完全。
そう、彼らが追い詰められ、そのステータスを与えられた「完全」に全振りさせない限り、決して暴走せず、そして成長する能力。
だが今はまだその領域に至っていない。
というわけで、全身硬化に力を費やすアライア。
蒔風の溜める方が先か、アライアの硬度が先か。
(だろうが・・・・実はそんなの関係ない)
蒔風が内心笑う。
この絶光は、もはや理論で語るような常識的な貫通力ではない――――!!
「行くぞ!!真人、謙吾!!」
「よっしゃ!!」「やれ!!」
「かかって来い!!」
「極!!!絶・・・・光!!!―――――尖!!」
揃えた指先を前につきだし、蒔風の中指先端から絹糸程度の細さで絶光尖が放たれた。
しかし、その細さとは裏腹に、放った蒔風への反動は凄まじいものがある。
肩は外れそうになるし、伸びきった肘関節ではガコッ!!と骨がぶつかり合う音がした。
放たれた瞬間にその場の空気がはじけ飛び、翼力でガードしなければ蒔風自身も真空にダメージを喰らっていただろう。
それを真っ向から受け止めようとする、アライア。
絶光尖は、その名の通りの速さを誇る。
故に、アライアがそれを感じたのは蒔風が放つ一瞬前。かかって来いと豪語した直後だ。
(何かマズイ・・・・!!)
自分からあれだけの言葉を放ち、一秒しないで撤回の思考という情けないとも思われるような判断だが、アライアは即座に首を振った。
しかし、正しい判断だ。
心象的には情けなくはある物の、アライアの判断は大正解だった。
必死になって身体を反らす。
それに反応して蒔風も指先を動かすも、もう遅い。
僅かな軌道修正はアライアの肩を貫く程度しか修正できず、その頭部には一切の傷を負わせることが出来なかった。
だが、肩を貫かれたアライ
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