第六章 Perfect Breaker
極と暴走
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ドゴォッッ!!
「なっ・・・!?」
「・・・・・・」
そちらを振り返ると、長門が背後の朝倉に裏拳をブチかましているところだった。
位置を特定された事に、朝倉が驚愕の表情を浮かべる。
対して、長門の表情は無表情そのものだ。
しかし、眼差しには明らかな敵意。
目の前で行われる超人的な戦いに、目を奪われるどころか何が起こっていることすらわからないキョンは只々頭を抱えてしゃがみ込むばかりだ。
「ちょ、なにが起こってんのかすらわかんないんですけど・・・・!?」
「起き上がらないで」
「んが!?」
首を上げて抗議しようとするキョンの頭を上から押し込み、さらに下げさせる長門。
クウガが55秒の制限時間ぎりぎりでペガサスボウガンを放ち、朝倉へと牽制しながらマイティフォームへと戻って行った。
その弾丸を軽く弾きながら、忌々しそうな顔をして朝倉が問う。
「なぜわかるんですか?」
「・・・・・・」
「俺は超感覚でわかるだけだけど」
「長門さんは?後学のためにお聞きしたいですねぇ〜?」
思い通りにいかないのがそんなにも気にくわないのか。
いまこの場において圧倒的優位にあるはずの朝倉涼子は、この二人を前に攻めあぐねていた。
実力的に見て、この二人を相手にすれば確実に朝倉に勝ち目はない。
しかしここは朝倉が自ら作り出し、そして引き込んだ異空間だ。その中ならば互角以上に戦える計算だったし、勝ることも可能という算段だった。
だが、現実ではこの通りだ。
朝倉の居場所はクウガに見つかり、その出現場所をなぜか長門は反応してくる。
「いくらあなたのスペックが優秀だからと言って、今の私を捕える程ではないでしょう?」
「そう。私は、あなたの居場所を特定できない」
長門は今、この空間には干渉することができない。
無論、様々な方法を試みているのだろうが、今の朝倉はこの空間内ということもあり、隙がない。
易々とできるわけもがないのだ。
だと言うのに、何故・・・・・
「でも、あなたというデータにかわりはない」
違う?と、じっくり見ないとわからないくらいの角度で小首をかしげる長門。
そう。
いくら空間のプログラムを変えても、攻撃に使うプログラムを強化しても、それを扱うのは「朝倉涼子」であることにかわりはないのだ。
そして、朝倉涼子という人格のデータは、すでに知りつくされている。長門ならば、相手の行動パターンを読み切ることは容易であろう。
「・・・・・くっ!!!」
ビダァン!!ビュォッッ!!
舌打ちと共に、朝倉が両腕を光の鞭(というには太すぎるが)へと変え、地面に打ちつけ、まっすぐに突き
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