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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
接続不詳の暗殺者
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は聞こえ無いよう、キョンが長門に聞く。

「ハルヒは危なくないのか?」

「そう。今この場で、最も危険なのは―――――」

そこまで言って、長門が急に振り向いた。
そして、キョンの顔面に向かって猛スピードで腕を伸ばし、それが首筋から後ろに過ぎていく。

「あなた」


バシュ!!!という音がした。
振り向き、よろける様に下がるキョンが見たものは、凶悪なサバイバルナイフを握って止めている長門の手だった。


「な・・・これは・・・・」

それには、とてつもなく見覚えがあった。

忘れようか。忘れるはずもない。



それほどまでに、これが彼に与えてきたインパクトは大きい。

一度目は、放課後の教室。
二度目は、冬の日の北高校門前。

一度目は殺されかけ、二度目は腹に刺さりもした。


そして、その実行者が今―――――目の前に。



「あら?邪魔するのね、長門さん」

「彼は涼宮ハルヒを知るための重要な人間だから」


「彼女」を見た瞬間、古泉はハルヒを連れてみくると共に退散した。

言い訳など後からいくらでもできる。
今はこの現状から、彼女を遠ざけなければならない。



ズリズリと後退するキョンを、ユウスケが引っ張り込んで、庇うように背中に回す。

「彼女」はサバイバルナイフから手を放し、大きく一回転しながら後退していった。



「君も・・・・・召喚されたのか?」

ユウスケが問う。
いまこの状況で彼らを襲うのは、それしか考えがつかないからだ。

そして、キョンに視線を向ける。


「知り合い?」

「知り合いも何も・・・・」

声が震える。

無理もない。
キョンはこれまで幾度も「危機」に遭遇していたが、明確な「死」を思わせるような存在は、後にも先にも「彼女」だけだ。


「彼女は、私と同じ対有機生命体用ヒューマノイドインターフェース」

「ん?」

「あー。宇宙人、ってことっす」

「しかし、彼女はデータごと、情報統合思念体から消滅したはず・・・・」



「あー、そこはあれです。マスターのおかげで復活というか。で、私・・・・後悔しようにもやることやれてないので、やりきることにしました♪」

目の前の「彼女」は、取り出したサバイバルナイフを弄ぶように手元で回す。



「キョン君―――――」

そして、ユウスケの背後のキョンに切っ先を向け

「死んで?」

落ちた消しゴムを拾って?とでもいうかのような口調で――――――



――――アサシン:朝倉涼子はニコリと笑った。






to be continued

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