第六章 Perfect Breaker
接続不詳の暗殺者
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涼宮ハルヒとしては、不思議なことがあったらそれを目の当たり、もしくは体験するために「EARTH」登録したようなものだ。
だと言うのに、いざこの状況になって蚊帳の外では意味がない。
彼女の言い分はもっともだが、少しは状況を考えてくれ、とキョンは思う。
そしてこういう時、躍起になった彼女を抑え込む役目は自分しかいないのだ。
いつも通り長門は見詰めているだけだし、みくるはおろおろ、古泉は憎たらしい(とキョンは思う)笑みを浮かべながら、朗らかに笑っているだけなのだから。
「あ、あのぅ、さすがに危ないんじゃぁ・・・・」
「そうですねぇ・・・・涼宮さんに何かあるとは思えませんが、万が一ということもあります。ここは撤退させるのがいいのでしょうね」
長く、それこそ20分近くはキョンとハルヒのやり取りを眺めていた小泉だが、そろそろ潮時かと足を踏み出す。
眺めていた理由としては「飽きない、面白い」という感情からだが、中の状況からしてかなりヤバい相手らしい。
「開けなさいよコラァ!!」
「ちょ、本当にこの中危ないんだからグボア!?」
「ハルヒーーーー!?ちょ、おま、なにしてんですかコノ野郎!?」
「EARTH」の入り口を固めていた小野寺ユウスケの鳩尾に蹴りをクリティカルヒットさせてしまうハルヒ。
どうよ!!とドヤ顔をしている当人だが、キョンにはそれが偶然だったことは解っている。
ついでに、内心焦っていることもだ。
「ハルヒ。お前やっちまったな」
「な、なによ!?開けないこの人が悪いんだからね!!」
「お前が悪いわ!!」
「ぐぉお・・・」
膝を付き、腹を押さえて悶えるユウスケなど眼中になく、こうなったら柵を無理やり登って行ってやるとしがみつくハルヒ。
それを止めようとするキョンと、駆け寄っていくみくる。
古泉も仕方ないですね、と笑いながら進む。
しかし、何かを感じ取った長門が古泉とみくるを抜いて先に進んだ。
ハルヒをどうにかして降ろしたキョンが、ユウスケに謝りながら帰ろうとしているところに、話しかける。
「ここは危険」
「ん?ああ、ハルヒがこんなとこいたんじゃ、何はじまるかわかったもんじゃ・・・・」
「違う」
空気が変わる。
ピリピリとした、明らかな意思がそこには込められている。
気の抜けていたユウスケも、それに反応して周囲を見渡す。
咄嗟にアークルを出して、手をかけるくらいには、この場の空気は激変していたのだ。
この場には――――明確な殺意がある。
「違うって・・・なにがだ?」
ハルヒは止めようとしてくるみくるへの絡みで聞いていない。
一応ハルヒに
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