第六章 Perfect Breaker
接続不詳の暗殺者
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そしてそれを、突進の勢いを衰えさせることのないゼストが踏み均して消し去っていく。
「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
突進の猛烈さを、そのまま声にしたかのような咆哮を上げていくゼスト。
しかし、ゼストは考える。
(押されるのはいいが、いつまでもこの状況に甘んじているとは。せめて数秒で突破してもらいたいものだが)
押されるのはいい。
しかし、押されすぎだと評価する。
そして軽い失望を抱いたとき、クラウドがそれを予見していたかのように
「ハァァアアああ・・・・!!フッ、フッ、フッ・・・ぬンッッ!!!」
呼吸を整え、一喝した。
一時停止ボタンを押したかのような制止。
それはビタッ!!というよりもバギンッ!と、空間そのものが凍結したかのような止まり方だった。
驚愕するゼスト。
止まったことにではない。その止まり方にだ。
そしてゼストがその感情に支配されているうちに、クラウドの手首が大剣をいじり、一本の剣が射出された。
それはクラウドの左手へと跳び、掴まれ、ゼストの肩を狙って薙がれて行く。
「ッ!?」
それを肩に食らうゼスト。
しかし、斬れたのはバリアジャケットのみ。
それが右肩に触れた瞬間、ゼストは身体を内側に回転させ、刃から回避していたのである。
「クソ・・・・!!」
「ぬんっ!!」
そしてそのまま回転しながら、槍を突き放すように突出させた。
大剣を軸に、クラウドの身体がくの字になってすっ飛んだ。
両手に握る剣を地面に突き刺そうとし、二、三回弾かれてからようやく突き刺し減速させる。
ガクリ、とクラウドの膝が折れそうになるも、それをどうにかこらえて立つ。
たった一合の剣撃。
一合と言い切っていいものかと少し疑問だが、そうでなくともこれまでの動作は「突き」「弾き」「押し切った」だけのことなのだ。
それだけで今、クラウドは息を切って呼吸を荒げていた。
ゼスト・グランガイツ
管理局において、オーバーSランクの魔道士。
かつてはリィンとユニゾンしたヴィータ、そしてシグナムですら勝つことのできなかった実力者。
クラウドからすれば、まだ相手を知っているセフィロスの方が戦いやすいという物だ。
それが、全くの未知数。
しかも相手はサーヴァントだ。マスターからクラウドの情報を得ている可能性がある。
だとすれば、開戦からしてクラウドは手痛いハンデを負っていることになるのだ。
しかし、クラウドが悲観しているのはそこではない。
(この男は、空を飛んでいた・・・・)
そう。彼は飛行能力を持つ「空戦魔導師」だ。
つまり、地上戦は「本分ではない」とい
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