第六章 Perfect Breaker
接続不詳の暗殺者
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よね?」
「ん、まあ」
しかしその状況でも、セルトマンは何一つとして動きを見せなかった。
その必要がない。
その理由一つで、セルトマンはこの行動に対して防衛も対処もしない。
「まあいいでしょう。私はこれから行きますが・・・・」
「いいぞ。好きなやつ相手にして来い」
「ええ・・・・あの時やれないで後悔したので、今回はちゃんとやりますよ」
そう言って、アサシンも消える。
「さて。彼らの相手は決まりきっているし」
ザッ、トンっ
「とりあえず、俺はお役御免かな?」
そう言って、近くの樹の上に飛ぶセルトマン。
その上で、高みの見物と言わんばかりに戦況を眺める。
視線の先では、ゼストとクラウドがその刃を激しく打ち合っていた。
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「ヌァァアアアあああああ!!!」
「ゴッ・・・ハァアアアアアアアアッッッ!!!」
地上。
ゼストの突進を、クラウドが同じように大剣の突きで正面から打ち合おうとして、それを突き出した。
ゼストの踏み込んだ大地は、爆弾でも仕掛けられていたのかと思わせるほど飛び散り爆ぜる。
それを真っ向から受け止めるクラウド。
しかし、穂先同士がぶつかり合った瞬間に、ゼストの槍がピクリと動いた。
僅か0コンマ数秒の交差。
ゼストの槍はクラウドの大剣を絡め取るように跳ね上げさせ、クラウドは槍に対処するべく大剣を引き寄せて面でそれを受け止めた。
(オレより・・・速い・・・!!)
ゼストの妙技は、クラウドも同時に思いついていた。
しかし、そうなると後は読み合い。
どっちが先に動くのか、という単純な速さ比べではない。
相手が動くその一瞬先に動かねばならないのだ。
相手が穂先を少しずらしてくるのか
相手が腕をもう少し早く突き出してくるのか
相手が逆に引いて攻撃してくるのか
それらを読み、予測し、捌き動く。
相手の一手前に、じゃあこっちはその一手前に、その一手前――――
その読み合いの中、ゼスト・グランガイツはクラウド・ストライフに黒星をつけたのだ。
ゼストの突きに押されていくクラウド。
両足の筋肉を総動員させ、腰と腕を連動させ一つの塊とさせながら、それを受け止めることには成功していた。
しかし、彼が立つ大地はそれに耐えられない。
衝突の衝撃で、ミサイルでも打ち込んだかのようにクラウドの足元が後ろに向かって吹っ飛び、更にそこから押されて今も止まらないのだ。
地面は捲れ上がり、大地に刻まれるクラウドの二本の「足跡」。
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