第六章 Perfect Breaker
止まらぬ再生
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首を掴めるほどの大きさをしていなかったのだから。
「若返って・・・る?」
「ゴホっ・・・これは・・・・」
もう見ることしかできないなのはと、首を抑えて地面に倒れる五代。
加々宮から転がって離れ、五代は加々宮の全身を見た。
若返っていた。
最初は二十代前半かそこらだった加々宮だが、今は小学生ほどの大きさになっていた。
人は年を取るとともに身体が疲労し、摩耗していく。
もしも、それすらをも「肉体の損傷」と考えるのであれば。
そして、それを再生してしまい、抑えが利かなくなってしまったら――――――
「クソッ!!止まれ、止まれ!!再生、やめろ!!やめろ!!お、おれが、俺が・・・消え・・・消・・・・k・・・・・」
その「再生」は止まらない。
加々宮という男の逆再生を見ているようだ。
否・・・・まさに逆再生、なのだろう。
その再生は加速度的に早まって行き、身体はついに赤ん坊へ。
それでも彼の意識は残っているのか、その表情は赤ん坊の物とは思えないものをしていた。
そしてだんだんと小さくなり、髪の毛が短くなって頭に収められていくかのよう。
腕や足は関節の位置が曖昧になってきて、身体全体が丸まって行った。
そして次第に丸まっていた身体が、本当に丸へと近づいて行った。
腕や足が胴と繋がり、顎と首がくっついた。
瞳は引っ込んでいって、瞼が閉じられる。
しかし、ここまで行くともはや二人には見えていない。
そんな大きさをしていないのだ。
そしてその足や腕、頭などの箇所すらなくなり、コンマ数ミリの球体へと「再生」した。
そして、そこから二つの物質に分かれ、それが離れて行き――――――
パチン、と
小さな音を立てて、再生の完全・加々宮は消滅した。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
二人の呼吸音だけがする。
遠くからは爆音が聞こえてくるが、それもよく耳に入らない。
唖然とするばかりだ。
蒔風から彼らの暴走を聞いてはいたが、あまりにも衝撃的な光景に声が出ない。
百聞は一見にしかず、というのはこういうことを言うのだろう。
勝ったのか。
そう確認し合うように、五代となのはが顔を見合わせた。
そして、安堵の息を吐こうとした。
ド、ドンッッッ!!
その瞬間、まともに動けないなのはと五代の前に、“LOND”とショウが降りてきた。
「ショウ君!?」
「と・・・敵か・・・・・!!」
実際には降りてきた、というほど生易しくはない。
猛烈な勢いで落下してきた、というのが表現としては
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