暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Sea 『空と海の境界線』
Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
Mission17「TRANS-AM」
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めの表情を見せる。
「どうした?照月」
「……………セレンさん、提督と一緒に…………作戦エリアまで…………転送……を……」
謎のか弱い声が、船内に響く。セレンは気付くと驚愕の顔を浮かべる。相当キレてるような気がしなくもないが、何故照月が突然そんな事を云うのだろうか。自分にも理解できない。

「まさか……お前と同じ例外が使うものに反応するとは、な」
すぐさま冷静さを取り戻したセレンは船外に出て固有魔法を使用し始める。
照月はそれに気付き自分の服の袖を引っ張った。「目をつぶって」という口元のかすかな動きで判断した自分は目をつぶる。

徐々に体が何か超次元のような、どこかに持って行かれそうになったが何とか持ちこたえてその持って行かれそうな力に抵抗し続ける。

そうか、空間転移っていうのはこういうことも可能なのか――――――

そう思いながらふと意識を落とした。



0345 Saratoga甲板

「ストライカーの準備よし、弾薬よし、装填よし、カタパルト問題なし……」
私はいよいよ出撃の準備を整える。あの後しばらく情報交換を行い問題がなかったところでSaratogaの甲板に戻ったが、やることがなく整備を続けた。
暫くして出撃してほしいと言われたためストライカーを動かし、最終確認を終えて発艦可能かチェック。
サラが制御してくれているのだろうか。自然とカタパルトが準備を終えていたため、ストライカーの魔導エンジンをフル回転にさせた。

「ゲルトルート・バルクホルン、出る!」
私はそう叫びカタパルトによって得た推力で機体を急加速、一気に装甲空母『大鳳』まで接近を試みることにする。
機体の最高速度が2500km出てるあたりでずっと飛び続けると思った。その刹那、何かの長距離攻撃が飛んでくる。それを躱したが、身の危険を感じてしまった。

「あれは……イーヴォ提督、わかるか?」
「間違いない……あれはトランザムだ!」
やはりか、と思い敵のTRANS-AMの情報を解析する。稼働時間こそ長いが、TRANS-AMを使う事による特殊攻撃があることが判明した。情報はわからないが、少なくとも空母ですら耐えられない可能性のある攻撃の確率が高い。
しかしそれに思考を巡らす暇はない。TRANS-AMを得た敵はもう1人のウィッチを翻弄するくらいの速さで此方も翻弄しようとしてきた。ここでやられるわけにはいかない、と判断し『大鳳』まで接近することにした。

一気に機体を急加速させて振り切る。そこに危うくレーザーが飛んでくるが、私はストライカーを動かしぎりぎりで躱した。

(これは、とんでもないものを相手にしているかもしれない――――――世界を破滅させてしまうような、そんな力を持つ相手と)
心の中で、そう呟いた。




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