秩序のナイトメア
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車大きいし、頑張れば全員乗せられるだろうけどね。
「……」
ケイオスが無言で私を見てくる。……彼の眼には、呆れと心配の色が見て取れた。
「今朝の不安が的中したね。目を離したら案の定こんなことになったし」
うん、返す言葉も無い。
「だからさ、ここで改めて誓うよ。俺はシャロンを守る、例え全てを敵に回したとしても、シャロンのためにこの力を振るう。今この瞬間からあんたが、俺の一番の優先順位だ」
……、……!?
こ、これ……軽くプロポーズじゃない!? こんな時にするセリフなのかはわからないけど、とりあえず返事を……!
と思った直後、屋上の方からとてつもない轟音が発生した。ショッピングモール全体が震動するほどの衝撃……咄嗟にドレビン神父は人質を装甲車に乗せて安全を確保、私はケイオスに抱えられて1階へ移動していた。
「立てる?」
「うん、大丈夫……」
『キシャロロロッ!! お楽しみの時間がやって来たぜ! さあ、晩餐会の始まりだ!!』
3階から聞こえて来たフレスベルグの声に、私は思わず震えた。また、あんな苦しい目に遭うのは嫌だ……。
「あの鳥が来たってことは、またイモータルの襲撃が始まったか。……俺がアイツを倒すから、シャロンはシオンの所まで逃げて」
「だ、大丈夫なの……?」
「大丈夫、今日は勝てる。ちゃんと策を用意してくれたんだから」
「策って、昨日の?」
「ん。それに切り札もある、敗北は絶対に無いよ。……いや、俺にとっての敗北はシャロン……あんたの死だ。だから俺が勝つために、あんたは生き残れ」
「ケイオス……。……わかった、でも絶対帰ってきて。帰ってきたら、私なりにお礼するから……」
「ふ〜ん? 今までの中で一番期待できる報酬だ。……ああ、忘れるところだった。捕まった時、刀落としたでしょ?」
「うん……ありがと」
ケイオスが届けてくれた刀を再び腰にまとい、私と彼は背を向け合う。彼は戦場に行くために、私は避難所に逃げるために。
「じゃ、行ってくる」
爆音を轟かせてケイオスは3階へ跳躍、“敵”を殲滅しに向かった。さてと、私も生き残るために急いでシオンの所へ行かないと……。
「ふふ……」
「!?」
「ふふふふふ……見ぃつけた♪」
殺気!?
私は反射的に二刀を抜き、殺気を受けた方角で十字に構える。直後、
ガキィッ!!!
金属音を響かせて、何かの攻撃が防がれた。攻撃してきた何者かはすぐさまバックステップし、私の眼にその姿をさらした。
ダーク属性に染まった赤い目と、禍々しい巨大な左腕を持つ病人服の少女……。ただ、その容姿はシュテルに酷似していた。
「あなた、何者?」
「ふふふ……ねぇ、月
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