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焦ってついつい
第五章
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「盲目。何も見えなくなるから」
「だからああして乗ったのね」
「いてもたってもいられなくなって」
「それでああしたのね」
「さて、後は戦勝報告を聞くだけね」
 亜由美本人から。それをだというのだ。
「池端君なら先着一名で受けてくれるからね」
「そうそう。まして亜由美可愛いしね」
「結構以上にね」
 小柄で顔立ちも髪型もだ。そしてそれがだった。
「背の高い女の子って小柄な女の子がタイプのこと多いし」
「池端君の好みの可能性かなり高いしね」
「亜由美絶対にハッピーエンドになるわよ」
「彼氏ゲットよね」
 こう話してだ。クラスメイト達はにこにことなっていた。そして。
 その亜由美はというと。弦太郎のクラスに飛び込んできていた。今彼はクラスの男子連中と楽しく談笑をしていた。亜由美はその彼の前に飛び込んだ。
 すぐにだ。弦太郎は彼女に気付いてこう尋ねた。
「どうしたんだ、急に」
「うん、言いたいことがあるの」
 亜由美は弦太郎を見上げながら彼に言った。
「それはね」
「それは。何だ?」
「好きなの」
 勢いのままだ。亜由美は彼に告白した。
「池端弦太郎君のことを。大好きなの」
「それでか。俺と」
「よかったら付き合って。池端君の彼氏にして」
 焦って周りが見えておらずしかも勢いがついていた。最早こう言わないと止まらなかった。
 そして言うとだ。弦太郎は微笑み。
 そのうえで亜由美に対してだ。こう言ったのである。
「わかった。それならだ」
「いいの?私が池端君の彼女になって」
「一人限定だが俺の夢はダチの他にもう一つあったんだ」
 友達を多く、少なくとも学園の全員と友達になる以外にもだった。とにかく多くの友人を作ることが彼の夢だ。だがそれと共にだったのだ。
 弦太郎はその夢もあったというのだ。それでだった。
「彼女と作ること。だからな」
「それじゃあ」
「ああ。今日から花澤亜由美は俺の彼女だ」
 言ってだ。そのうえで。
 亜由美に手を差し出す。そして握手の後で。
 お互いに拳を作ってそれを何度も打ち合わせる。それから言うのだった。
「これから宜しくな」
「ええ、それじゃあね」
 二人で言ってだ。そしてだった。
 亜由美は満面の笑みでクラスに戻った。そのうえでだ。
 自分から言おうとするとクラスメイト達に囲まれてだ。こう言われたのだった。
「じゃあ今からね」
「どうなったか聞かせてもらうわ」
「そうさせてもらうけれどいいわね」
「ええ。それじゃあね」
 亜由美も微笑んで話をはじめる。ことの成り行きを。それは彼女にとっても周囲にとっても勿論弦太郎にとっても最高のハッピーエンドだ
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