暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第58話「一時の帰宅」
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子供も楽しめるゲームとして。】

「自由度の高そうな感じだな...。」

「明日どういったものなのか見れたらいいね。」

 それにしても、その開発に協力してるのは誰なのだろうか?
 桜さんに聞かされた事があるけど、世間に隠れている天才というのもいるらしい。
 もしかしたら、そういう人なのかもしれない。

「...さて、戻るか。」

「そうだね。休憩もそろそろ切り上げようか。」

 飲み終わった空き缶をゴミ箱に捨て、俺達は手伝いに戻った。







「....っし、ふぅ...。」

 夜。風呂前の素振りを終わらせ、俺は一息つく。
 いつもやっていた事だが、最近は少しずつ回数を増やしている。

「精が出るね。」

「グランツさん。」

 仕事に一段落ついたグランツさんが俺の鍛錬を見ていたようだ。

「...なんというか、思い出すよ。僕の幼い頃を。」

「幼い頃...ですか?」

 あまり想像がつかない。

「僕も、君のように夢を追いかけていたんだよ。...空を自由に駆け回りたいという...ね。」

「それって....。」

「束君や桜君に似通っているだろう?」

 宇宙か空かという違いはあるが、それ以外は変わらない。
 ...だから、グランツさんも会社を動かして桜さん達を止めに...?

「幼い頃と言うだけあって、僕も子供だったからね。ファンタジーの世界のように自由に飛び回りたいなんて、本気で思ってたよ。」

「...諦めてしまったんですか?」

 グランツさんの言い方は、過去形だった。
 それはまるで、諦めているようで...。

「...そうだね。結局、僕は諦めてしまった。そんな事はできそうにないと、現実を見せられてしまったんだ。」

「......。」

「だから、僕はせめてゲームの中だけでも自由に飛べるようにしたいと考えてね。...それが、僕が研究者になる切欠だったのさ。」

 グランツさんが研究者になるのに、そんな事があったのか...。
 ...でも、それは...。

「...妥協...ですよね?」

「...まぁね。どう言い繕っても、僕は夢を諦めて妥協した事に変わりない。...桜君達にも言われたよ。...だからこそ、せめて妥協した道を突き進む。...現実の空を翔けるのは君達に任せて、僕はゲームで空を翔けさせてもらうよ。」

「...そのためのVRゲーム、という事ですか。」

 AIに関して研究していたのも、ゲーム関連なら納得だ。

「...誰かから聞いたのかい?」

「シャルから共同開発の事を、白からゲームについて聞きました。」

「うーむ、桜君達には知られていたからなぁ...。ハインリヒさんにも話
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