最終章:夢を追い続けて
第58話「一時の帰宅」
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。何せ、一番身近にいたのだから。だけど、それで周りはどうなる?ISが意志を主張した影響。女尊男卑の風潮が崩壊し、迷走している社会の現状。彼らを止めた後の対処。...挙げればキリがない。」
「......。」
「これは、君らだけの話じゃないんだ。世界中に影響する。それらを全て穏便に済ませるには...あまりに、難しすぎる。」
...盲点だった。
いや、気づいてはいたのかもしれない。その上で、目を逸らしていた。
これは俺達や桜さん達だけで済む問題じゃない。
このまま桜さん達を捕まえた所で、一体どうなるだろうか。
世界を?き乱した罪は重い。それでは桜さん達の願いは結局叶わない。
「やめろ....とまでは言わないよ。だけど、決して忘れないでほしい。今の君達だけでは、絶対に良い結果にはならない。...いや、例え仲間を集めた所で、それは変わらない。」
「っ.....。」
「国を動かす存在を止めるには...こちらもまた国を動かさなければならない。桜君と束君の夢を実現した上で穏便に済ませるには、文字通り世界を変えなければならない。...覚悟が出来てるとか、そういう話じゃないんだ。」
「それ、は....。」
分かってる。分かっているんだ。
ただでさえ俺達...ワールド・レボリューションは立場が悪い。
それなのに、テロリストとなった二人を止めて、穏便に済ませる真似をしたら...。
それこそ、グルだったと疑われる。
「人一人にできる事は限られている。無理して突っ走っても、見合った結果は返ってこないよ。」
「......。」
「...博士、ちょっと言いすぎなんじゃ...。」
何も言えずに黙り込んだ俺を見かねてか、シャルがそういう。
「...っと、それもそうだね。」
「...え?」
今までの雰囲気と打って変わる。
「秋十君。確かに君にできる事は限られている。元々自他共に認める程才能があるとは言えない君だ。知り合いで仲間を集める事はできても、それ以上は難しい。」
「っ....。」
「だけど、会社や国を動かせる存在も身近にいるのを忘れていないかい?」
「....あ....。」
そうだ。影響力が強いのは桜さん達だけじゃない。
「適材適所。君の姉である千冬君なら相当な影響力を持っている。それに、僕らだって何もできない訳じゃない。立場が悪いのならば、それを利用すればいいのさ。」
「利用...?」
「桜君達が、ただテロを起こした訳ではないと訴えかけるのさ。僕らは今まで共にいた。その分、彼らを理解しているつもりだからね。」
「...なるほど...。」
止めた後の布石を打つようだ。
これなら、桜さん達の夢に近づ
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