第一話「主人公は……」※修正
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寝巻に着替えると、俺は自室に折り曲げていた布団を元に戻したら、その上に横たわって眠りについた。
明日も、マラソンの授業がある。いい加減にマラソンなんてやめてくれないだろうか?
これ以上、三原の下らない趣味のスポーツに付き合っていられるかよ! あんな脳筋野郎のもとで授業なんて、こっちの身がもたないってーの!
布団の中で愚痴を唱えながらも、俺はすぐさま瞼を閉じた。
*
その夜、俺は不思議な夢を見た。見知らぬ神社の境内に立ち尽くし、周囲を不思議そうに見渡していたのだ。
「こ、ここは……?」
周囲には何かしら霧がかかっている。いかにも幻想的でどこか神々しくも不気味な印象を漂わせていた。
見事な代謝を前に、俺はあんぐりを絶ち続けているのだが、そんな周囲に突如にして異変が起こる。
「……!?」
足元から伝わる自揺れは次第に激しさを増し、俺の身体はよろめき始めた。突然の地震に俺は立っていることすら難しくなる。
しかし、地揺れは俺の立っている砂利の周囲しか揺れているようにうかがえたのだ。これは違和感がある。そして、俺の周囲の砂利は一斉にその正体が突き出てきた。
黒い全身タイツを纏い、それに骨格を催した白いラインが走る男たち。彼らはそれぞれに奇声を張り上げながら、瞬く間に俺の立っている一帯を囲った。
「な、なんだ! こいつら!?」
見るからに特撮に出てくるような戦闘員を思わせる身なりであるが……
彼らは、それぞれに刃物を片手に持ち、その先を俺に向けると、一斉に襲い掛かってくるではないか。
「ひぃ……!」
こうも囲まれたまま四方八方より襲われたら助かるまい。リンチにされて殺されるのがオチだ。俺は、無意味にも咄嗟に両手で頭部を守った。
「……!」
……そのときだった。
腰に何らかの違和感を持った。先ほどまで感じなかったのだが、襲われる刹那にそれが出現した。何か、ゴツいベルトのようなものが俺の太いメタボの腹回りに取り付けられている。否、これはベルトである。それも、ただのベルトではない。白いメカニカルな帯に中心には白いバックル状に赤い半球の物体が埋め込まれている。
ただのベルトではない。見覚えのありそうなその腰回りのアイテム……これは!
――変身ベルト……!?
そう、それは紛れもなく「仮面ライダー」が変身するのに使用する変身アイテムであった。しかし、それがなぜ俺の腰に?
だが、俺は無意識にもそのベルトに両手を添えて、咄嗟に叫んでしまった。
「変……身ッ!!」
力強いその叫びが俺の体内を駆け巡り、そして異変が起きた。
ベルトの中央に埋め込まれた赤い球体が歯車状に点灯し、それが激しく回転しだしたのだ。その球体の中の歯車の光が速さを増すたびに、俺の周りに緑色の竜巻が生じ、その竜巻に俺の身体は覆われていく。周囲から剣を手に襲い来る黒い男た
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