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仮面ライダーLARGE
第一話「主人公は……」※修正
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「自分たちのことは自分達で解決しろ!」とか言って知らんふり。どうすることもできないまま、俺はどうすることもできずにそのままなすがままの学園生活を送っていた。
「めんどくさいな……」
「いいだろうが? 別に、テメ―の金で買って来いって言ってねぇだろ? ほら……」
と、彼らは財布から金銭を取り出して俺に手渡した。たまに足りないこともある。
「道草せずにこいよー?」
「……」
ひどいことだ。まだ俺の金で買って来いって言われないだけいいほうだが……
「ああ……」
その後、俺はとぼとぼと一階の購買へ向かい、顔見知りのおばちゃんにメモッた食べ物を注文した。
「おばちゃん?」
「はーい!」
中年太りの大柄な三角巾を頭に巻いた女性が出てきた。購買のおばちゃんである。誰にでも親しく接してくれて、僕の良き相談相手でもある。それに、おばちゃんは俺の印象が強いために顔を一発で覚えてくれていた。
「おやおや? まーたパシリかい?」
「うん、えっと……」
俺は、おばちゃんに注文した。彼女は俺の言ったとおりの食べ物を袋へ入れていく。そして、代金を払った後におばちゃんはしぶしぶとこう言う。
「あんた、ほかの子たちよりも大きいんだし、しっかりおしよ?」
「そうだけど……」
おばちゃんにお説教され、俺は踏んだり蹴ったりのような気分になりながらとぼとぼと教室へ戻った。彼女のいらぬお説教のせいで無駄な時間を過ごした。早く戻らないと俺さえも飯にありつけない。
「はぁ〜……」
こうして、何度もため息をつく俺は実に「みじめ」という言葉が合う。この先も、パシリというくだらない学園生活を送るのだろうか? 本当に嫌なところに入ってしまったものだ。
教室に戻った後、俺は連中に頼まれたものを渡したころには、すでに十五分も過ぎていた。貴重な休み時間が十五分も減ってしまったのだ……
俺も、残り半分の時間でさっさと弁当を広げた。早食いだけは得意だからさっさと食べて午後の授業の準備をしておこう。次の授業は……げ! 体育じゃん?
確か、マラソンをやるって言ってたな? 俺の大っ嫌いなマラソンだ。これで時間に間に合わなければ補習くらうし、まるで教員も連中と一緒になって俺をいじめているんじゃないのかと、時にそんな被害妄想さえ抱く。
高校という新しい学園生活の始まりだと思ったのに……まさか、こんなところで中学生時代と何ら変わりようのない学園生活に戻っている。これでは、何も変化のない何時ものくだらない日々と同じだ。少しでも、生きることの楽しさというものをかみしめたかったのに。高校生活は自由という代償と共に自己責任を問われるものであることを改めて思い知らされた。
――いやだなぁ……?
キツい体操服に着替えた俺は、上にジャージを着て廊下に出た。すでに早く着替え終えたスポーツ部の連中を走る
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