第一話「主人公は……」※修正
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? 変態教師」
三原がそう言おうとしたところへ、扉付近から聞こえてきた声に制止された。
「だ、誰だ!?」
三原が振り向いた。そこには、赤いロン毛の男子生徒が両手を組んで宥めていた。
「弾……?」
俺は呟いた。五反田弾、俺と同じクラスメイトで家が食堂をやっている。俺とは何度か話すが、せいぜい知り合い程度だ。
「お前らの一部始終はちゃーんと録画させてもらったぜ?」
と、彼は片手にもつスマホを連中へ見せつけた。
「弾、テメェ……!」
生徒らは一斉に弾を睨みつけたが、彼は全く動じない。むしろ、負けない形相で睨み返した。
「テメェらのことは前から気に入らなかったんだよ。俺の食堂の近くを溜まり場にしやがってよ? そのせいでこっちたぁ店に来る客も減るしで商売あがったりだ! いっそのこと少年院ぶち込まれて園児からやり直してこいや?」
「この野郎……!」
「あとさ? お前ら全員シャブってんのは知ってんだぜ? 調べりゃすぐわかることだしさ? 俺がサツにチクりゃイチコロだ……・」
もっとも、前科のある彼らからすれば警察は前々からマークしていた。
「んでもって、三原の先公もこれで終わりだな? テメェはきっと社会的に抹消だ」
「そ、その動画を消せ! さもなけりゃ……」
すると、三原は生徒の一人が持っていたパイプ椅子をひったくって、雷馬たちへ振り下ろそうとした。すると……
「あ、いっけねぇ? このスマホ、録画したままだったぜ」
「なっ……!?」
つまり、三原が雷馬たちを人質に取ろうとしたところや、弾が生徒たちに対して放ったこともすべて音声だけでも撮れているわけである。
「お、お前たち! コイツも口封じしろ……」
三原は、弾を指差して生徒らに命じた。しかし、弾は余裕であった。
「もうそろそろかな?」
と、弾は階段の方から足音が聞こえたのを感じた。
「何事だね!?」
そこには、教頭をはじめとした幾人かの教員が血相をかいて駆けつけに来たのだ。
「み、三原先生……これはどういうことですかッ!?」
壮年で、やや頭の薄い教頭は、三原に凄い剣幕で問い詰める。
「御手洗に頼んで教員たちを呼びに行ってもらったのさ?」
と、弾は何時もつるんでいるダチの名を口にした。
「三原先生、とにかく事情を話してもらいますよ!?」
教頭が三原を睨みつけた。
「く、くそっ……!」
三原は、ガクッと膝を落とした。
その後、三原は逃げようとしたところを数人の教員らに押さえつけられ、一緒に居た生徒たちと一緒に警察の御用となった。
「無事でよかった…・…大丈夫か? 桑凪さん」
「九豪君……!」
安心したのか、朱鳥は火が付いたかのように泣きながら、ボロボロになった俺の胸に飛び込んできた。
「ちょ、ちょっと! こんなところで……!?」
「怖かったぁ……!
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