第一話「主人公は……」※修正
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だ茫然と待っているだけだった。こんなんじゃ、人気のパンはおろか、安いパンすらもかえないだろう。まぁ、俺も同じようにところどころいなくなったところで買うつもりだったが……
もちろん、俺はそこそこなパンは買えた。しかし、朱鳥のほうはずっと立ってばかりだった。時期に、彼女は購買のおばちゃんに問う。
「あのぅ……パンは?」
恐る恐る聞くと、ぽばちゃんは申し訳なさそうに答えた。
「ああ、ごめんね? もう売れきれちまったよ」
「あはは……そうですか?」
苦笑いして立ち去る朱鳥を見て、俺は気の毒に思った。出来るなら、俺の買ったパンをわけてやろうと思ったが、そう考えているよりも先に彼女は行ってしまった。
「……」
呼び止めようとしたが、それでも昨日の件もあるしで気まずくなりながら彼女に声をかける勇気がわいてこなかった。
その後も一人で買ったパンを食べ、それっきり放課後まで授業を受けた。
「……」
学校が終わった帰り道、俺はどうもやるせない気持ちで下校の道を歩いていた。もちろん、気に残るのが朱鳥のことである。あのとき、勇気を出して声をかければよかったのだ。
――俺って、本当に意気地なしだな?
図体ばかりデカいのに中身はこんな程度かよって感じで嫌になる。もっと、図体に見合ったぐらいの根性と自信があれば……
といっても、現実はどうにもならない。自分でどうにかするしかないという答えになる。自分でどうにかしろと言われても、どうにかできる力なんであるわけがない。
小さいころから何をやってもダメで、おまけにデブで頭の悪いライダーオタクだ。こんなやつを好いて近づくような奴なんてこの世の中では誰もいないだろう。
「……?」
悩みながら歩く帰り道、自宅のマンション前で見覚えのある後姿を見た。腰まで伸ばした黒髪と風もないのにボインな爆乳……朱鳥だった。
「あ、桑凪さん……?」
何故だか、俺はふと声をかけてしまった。っていうか、この子の自宅ってここだったかな? そうじゃなかったような……
「ッ……!?」
すると、彼女は驚いて俺の方へすぐに振り向いた。
「や、やぁ……ども」
「……」
しかし、振り返った彼女の顔はいつものマイペースでのほほんとした表情ではなかった。
「ど、どうしたの?」
苦笑いして問うと、時期にこちらを見つめてきた。それもしばらくの間こちらを見つめてくる。なにか、悪いことでもしてしまったかと今日あった出来事から一番言葉でやらかしてしまったことは何かと探り出した。
「九豪君……」
すると、次第に彼女は悲しそうな顔をしてきた、食いしばる様に口元を歪ませているが、それも限界に達して、両目からも次第に涙が滲んできた。
そして……
「ひっくぅ……はうぅ……うええぇんっ……」
泣いてしまった。静かに両手を目元に添えて……
「く、
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