ペルソナ3
1835話
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てくれればいいものを。
「これは!?」
だが、俺にとっては重要な代物ではなかったが、桐条にとっては重要な代物だったのだろう。
驚愕の視線を浮かべ、そのレポートを読んでいる。
桐条がここまで興味深そうにしているのを見ると、恐らく影時間とか……下手をすれば、タルタロスにも関わってくる何かか?
いやまぁ、それはそれでいいんだが。
ともあれ、桐条の様子を見る限りでは桐条にとっては重要な代物らしいのは間違いない。
そうである以上、これは俺が持つより桐条が持っていた方がいいだろうな。
「それは桐条が持ってろよ」
「何っ!? それは勿論助かるし、嬉しいのだが……その、本当にいいのか?」
「ああ、問題ない。俺が持っていても意味がないし、恐らくお前が持っていた方がいい奴だろ?」
「それは……そうだが。しかし、恐らくだがこれはかなり重要な代物だぞ? そして、本来なら私ではなくアルマー達が先に入手する筈だった代物だ」
「だろうな」
また5階にも達していない桐条達と比べると、俺達はもう16階まで到着している。
単純に数で比べるのは正確ではないが、それでも4倍近い差が開いているのだ。
だとすれば、このレポートを俺達が入手していても、おかしくはない。
もっとも、さっき考えたように本来の流れを考えれば、やっぱりこれは桐条達が持つのが相応しいという認識なのは間違いないが。
「どのみち、何かが起こるまではこの16階から先に進むのは難しいらしい。なら、お前達もそのうちここに到着するだろ。それに、お前が持っていた方が多分いいと思う」
「……すまない。感謝する」
俺の言葉に納得したのか、桐条は深々と頭を下げてきた。
聞いた話によれば、桐条や真田はゆかりよりも人気のある人物らしい。
そんな人物に頭を下げられたと知られれば、かなり面倒な事になりそうだ。
ただ、今は影時間でここはタルタロスの中だ。
今回の一件を知っている者は、それこそこの場にいる者だけだろうが。
「ああ、十分感謝してくれ。そして、俺達にその分の利益を返してくれるのを祈ってるよ」
その言葉に何を思ったのか、桐条は何故か頬を薄らと赤く染める。
……本当に、何を思ったんだ?
取りあえずそれは見なかった事にして、他に何か重要そうな物がないのか、周囲を調べていく。
幸い……という言い方はどうかと思うが、部屋の中には特に何もない。
「アクセル、他には何もないわよ。やっぱりアクセルが見つけたレポートで最後だと思う」
ゆかりの言葉に、他の面々も頷く。
「そうだな。なら、そろそろ帰るか。これ以上進むのは、まず無理そうだしな」
鉄格子がある以上、無理は出来ない。
……となれば、これからはタルタロスに来
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