第二話
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のことである。創立者はかの”ドライケルス大帝”――――”獅子戦役”を終結させたエレボニア帝国、中興の祖である。
―――即位から30年あまり。晩年の大帝は、帝都から程近いこの地に兵学や砲術を教える士官学院を開いた。近年、軍の機甲化と共に本学院の役割も大きく変わっており、軍以外の道に進む者も多くなったが……それでも、大帝が遺した”ある言葉”は今でも学院の理念として息づいておる。」
演説を続けていたヴァンダイク学院長は大きく息を吸った後、両手を机について前に乗り出し
「『若者よ―――世の礎たれ。』
”世”という言葉をどう捉えるのか。何をもって”礎”たる資格を持つのか。これから2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにして欲しい。―――ワシの方からは以上である」
大声で言った後説明をし、笑顔になった。
「―――以上で”トールズ士官学院”、第215回・入学式を終了します。」
男性の声が聞こえた後、カイムは声が聞こえた方向を見つめた。
「以降は入学案内書に従い、指定されたクラスへ移動する事。学院におけるカリキュラムや規則の説明はその場で行います。
以上―――解散!」
その後、カイムを含めた他の赤い制服の生徒たち以外は全員講堂を出て行った。残された面々は途方にくれていると、
「はいはーい。赤い制服の子達は注目〜!」
女性の声が聞こえ、カイムは声が聞こえた方向に振り向いた。その女性を見てカイムは顔が引きつるのを感じた。
「あのウワバミが教官になるのかよ……勘弁してくれ……。」
カイムがそう俯きながらぼやくと突然目の前から何かが飛んでくる気配を感じ頭を右に傾ける。そして何かが通り過ぎた後、後ろを見てみると視線の先にはスパナが落ちていた。ビックリしている周りをスルーしカイムはサラに話しかけた。
「おいサラ、あれがもし命中してたら痛いじゃすまないと思うんだが?」
「なに言ってんの、あれくらいでヤバイ事になるならあんたは今そこに立ってないでしょ。それに避けたんだから問題なしって事で♪」
カイムはサラと呼んだ女性に文句を言うものの、全く悪気の無いあっけらかんとした物言いに青筋を浮かべたがそんな事はどこ吹く風、サラは話を続けた。
「ま、それは置いといて…。―――君達にはこれから『特別オリエンテーリング』に参加してもらいます」
「へ……!?」
「特別オリエンテーリング……」
説明を聞いた眼鏡の男子は驚き、アリサは呆け
「ふむ………?」
「……………………………」
青色の髪の女子は考え込み、フィーは黙り込む。
「まあ、すぐにわかるわ。それじゃあ全員、あたしについ
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