第二話
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「えーっと、君達がカイム・グレイス君にアリサ・ラインフォルトさん、フィー・クラウゼルさんだね?」
「……ラインフォルト?」
「さっそくバレちまったよおい……。」
自分の名前を言われた瞬間、アリサは焦った様に二人とフィーの間に視線をさ迷わせ先に口止めをするべきと判断し先輩側に向いた。
「……あの、すいません。お願いがあるんですが」
「ふぇ、何かな?」
「ふむ、言ってごらん?」
「こっちにいるカイムは昔から付き合いがあるから構わないんですが、それ以外の人が居る時は私のファミリーネームを出さないでほしいんです。色々事情があって……あとで自分で言うまででいいので、お願いします。フィーには自分が話しますので……。」
「(……事情持ち?)」
「(ああ、本人がああ言った以上お前には後でちゃんと説明するだろうから今は待っててやってくれ。)」
「(ん、ラジャー)。」
カイムとフィーが小声で話している間、アリサは二人に頭を下げていた。かなり真面目な雰囲気を醸し出していたので二人とも直ぐに頷いていた。その後、ツナギの男性が思い出したように。
「ああ、そうだ。案内書に書いてあったと思うけど申請した品を預からせてもらいたいんだけど……。」
「ああ……そういえば。」
「そう書いてありましたね。」
「そうなの?」
「案内書ぐらいちゃんと読んどけよ……。」
太った青年に言われ、カイムはフィーに呆れの視線を向けながら包みを青年に渡し、アリサとフィーも続いて渡した。
「―――確かに。ちゃんと後で返されるとは思うから心配しないでくれ。」
「入学式はあちらの講堂であるからこのまま真っ直ぐどうぞ。あ、そうそう。”トールズ士官学院”へようこそ!」
「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな。」
「ありがとうございます。」
二人の言葉を受けて、カイムは応援してくれた事に嬉しさを感じ穏やかに笑顔を浮かべ礼を言いながら頭を下げた。頭を上げると少女の方は顔を赤くし青年は少女を見て苦笑を浮かべ、アリサとフィーはジト目でカイムを見た後頭を軽く下げ、二人でカイムを引っ張って講堂へと入っていった。
「いきなりどうしたんだよ。」
「ふん。自分の胸に聞いてみなさい。」
「自業自得だから。」
アリサとフィーはそれだけ言うと席に座ってしまった。そんな二人に疑問を抱きながらもカイムは適当な席に座った。それから少しして入学式が始まり、学院長であるヴァンダイクが新入生たちの前で演説をしていた。
「―――最後に君達に一つの言葉を贈らせてもらおう。本学院が設立されたのはおよそ220年前
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