第一章
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てその時計の針をチェックして言った。
「もうその時間だね」
「あの、またどうして」
「どうしてとは?」
「時間を忘れられたのですか?」
「ううむ、しまった」
今更という感じでだ、カントはこう言った。
「全て予定通りの時間にしないとな」
「それが旦那様のお考えですね」
「迂闊だった、だが」
「だが?」
「この書を読んでいるとだ」
今度は書に目を戻して言った、身振り手振りはほぼなく極めて静かだ。
「忘れてしまった」
「時間の推移を」
「そうなのだよ」
「それでどういった書ですか?」
「これだよ」
カントはここで自分が今まで読んでいたその書を使用人に見せた、それはフランス語でありプロイセン人の使用人には読めなかった。だがここでカントは使用人に話した。
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