第五章
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「北朝鮮ばかり物真似して」
「それが嫌ですか?」
「そうなんですか?」
「そうよ、どうしたものかしら」
あの国のある意味において、もっと言えばかなり悪い意味でのインパクトの強烈さに辟易する桜子だった。それは結局部屋に帰っても同じで。
ユリカがプレイするゲームのキャラクターの名前を観てだ、桜子は眉を顰めさせてプレイしている彼女に問うた。
「金聖柱って?」
「わかるでしょ」
「初代将軍様の本名よね」
「そう、あえて悪役ってことでね」
「エディトして入れたの」
「しかも能力低くしたのね」
見ればどの能力もかなり低くしている。
「それでいて妖術の特殊能力付けて」
「だってこの人妖術使うって自称してたから」
「だからなの」
「付けたの」
この特殊能力をというのだ。
「三国志のキャラとしてね」
「この時代にタイムスリップでもしたの?」
「その設定よ」
リアルでそうだというのだ。
「面白いでしょ」
「また、って気分よ。しかもね」
桜子はユリカのプレイを見つつ彼女にこうも言った。
「携帯の着信変えたけれど」
「どう?」
「今度はあの国の軍歌にしたの」
おばさんの絶叫からだ。
「前の将軍様の歌ね」
「讃えるね」
「またその国にして」
「インパクトあるからよ」
ここでもそれが理由だった。
「面白いでしょ」
「まあね、インパクトはあるわ」
桜子はユリカに半分死んだ目で答えた。
「嫌な意味でね」
「そうよね」
「ええ、それでこの人がよね」
ゲームの中に出したその初代将軍様を指差しつつ言うのだった。
「地上の楽園を築くのよね」
「その設定よ」
「三国志だから董卓そのままよね」
「董卓より酷いでしょ」
三国志演義での彼よりもというのだ。
「それこそ」
「一人だけの為の地上の楽園ね」
「そうなるわね」
「領民は最悪ね」
「だからそれを私の玄徳様が成敗しに行くのよ」
劉備ファンとしての言葉だった。
「これからね」
「そうなるのね」
「関羽と張飛を連れて」
「お約束ね」
「それで成敗した玄徳様が漢王朝を再興するのよ」
そうしたあらすじを考えているというのだ。
「今度はこの首領様信長で信長様に成敗されるから」
「どっちにしても悪役なのね」
「だって実際にそうした位置でしょ」
「それはね、しかしこんな東映の特撮の悪役みたいな組織がね」
ここで桜子はしみじみとこうも言った。
「現実にあるなんてね」
「世の中って凄いわね」
「そんな国に生まれたくないけれど」
「それでも凄いことね」
「現実って怖いわ」
桜子はこうも言った。
「本当にね」
「そうよね、現実こそがね」
「一番凄いわね」
「自称地上の楽園で世襲制の共産主義の究極の独
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