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真のヒーロー
第二章

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「いいな」
「わかっています」
「断るな、そして嫌な顔もするな」
「むしろ進んでですね」
「やっていけ」
 まさにというのだ。
「わかったな」
「わかりました」
 パンサー仮面も頷く、そしてだった。
 彼は実際に自ら進んでそうした活動もしていった、時には啓発ポスターにも出てだ。いじめや覚醒剤の使用を戒めた。
 そのいじめについてはだ、パンサー仮面は社長にこう言った。
「私昔から身体が大きくて」
「そうだったな」
「はい、力が強くて運動神経もよくて」
「スポーツは出来たな」
「何でも」
 それこそという返事だった。
「そうでした、ですが」
「いじめはだな」
「したことはないです、親も言ってました」 
 彼が素顔の時の両親達もというのだ。
「いじめはするな」
「だからだな」
「それで、です」
「いじめについてはだな」
「何があってもしてはいけない」
「そう考えているな」
「はい」 
 社長に強い声で答えた。
「そのつもりです」
「いい考えだ、どの世界にもな」
「プロレスの世界にもですね」
「いじめはある」
 社長はパンサー仮面に苦い顔で話した。
「どうしてもな」
「そうですよね」
「俺も見て来た」
 プロレスの世界でのいじめをというのだ。
「体育会系はどうしてもな」
「酷いいじめがありますね」
「そうだ、ある」
「それで、ですね」
「俺は事務所ではいじめはさせない、そしてだ」
「これからもですね」
「それはさせないからな」
 強い声で言うのだった。
「そして御前もだな」
「はい、私もです」
「いじめは許さないか」
「絶対に」
「それはいいことだ、じゃあな」
「いじめをなくす為にですね」
「人間の業の一つだ、完全にはなくならないだろうが」
 しかしというのだ。
「少しでも減らす為にな」
「私もですね」
「頑張っていけ、いいな」
「わかりました」
 パンサー仮面も頷いた、こうしてだった。
 彼は特にいじめ防止の為の活動に力を入れていった、その彼のところにある日一通のファンレターが届いたが。
 そのファンレターを読んでだ、彼はすぐに社長室に行って社長にその手紙を見せて言った。
「どう思われますか」
「これは」
 社長は深刻な顔でその手紙を読みつつ応えた。
「どうもな」
「この手紙のことが本当なら」
「放っておけないな」
「そうですよね」
「今ならまだ間に合うな」 
 社長はパンサー仮面にこうも言った。
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