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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 いけいけむてきのオーネスト
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ではありえない。余りにもあり得な過ぎて暫く自分がリューと呼ばれたことに気付かなかったリューは、遅ればせながらやっと状況を理解した。

「は、はぁ?なに急に名前読んじゃったりしてる訳?マジ意味分かんなーい」
「落ち着け、キャラが変わってるぞリュー」
「う、うるさいですね!何ですか、もしかして態と呼んでますか!?」
「態とも何も、自分を見直すと言ったろう。リューが不満ならリオンに変えるが……」
「こ、この期に及んで……まだ私の名前を呼ぶと言うのか……!ええい、貴方にそう呼ばれると背中がむず痒いのですよ!いつものくそメイドで構いませんッ!!」
「そうはいかん。そういう餓鬼っぽい事を続けているといつまでも中途半端だ。自分を見直すと言った俺の言葉も軽くなってしまう」

 オーネストは一歩も引かず、真剣な口調でリューの提案を却下した。オーネストがこんな真剣な顔で、しかも自分の名前を呼ぶことについて一切の侮辱なしだ。今まで攻撃的なオーネストと対話する為に敢えて攻撃的な態度を取っていたリューは、ここに来てのまさかのノーガード戦法で間合いを零距離に詰められていた。対抗策など思いつく筈もなく、もはやされるがままである。

「今までの俺の態度に非があったのは事実だ。だから謝罪しろというなら……まぁ、一回くらいなら謝る。すまない、今までの俺の態度は八つ当たり同然だった。リューの料理を馬鹿にしたのも謝る」
「え、え。い、いや別に私はそのことを根に持っている訳じゃ……!」
「では、呼び名を決めてくれ。何なら姉さんでもいいぞ、冗談だが」
「ねねね、姉さん!?い、嫌です姐さんは!それなら名前で呼ばれた方がまだマシで……!」
「じゃあ、暫定的にリューと呼ばせてもらう。いや、年上だからリューさん、か?」
「敬意の籠らないさん付けされたって嬉しくも何ともありませんよっ!!」
「そんな事はない。これでも俺は、リューが俺の事を気遣ってくれていたのは少しくらい知っているつもりだ。俺みたいなくそガキに真剣に向き合ってくれたリューは大した人だよ」
「う、うううう〜〜〜〜ッ!!」

 オーネストの猛ラッシュを防ぐ術もなく受けまくったリューはもはや限界だった。謎の羞恥に顔はゆでだこのように真っ赤になり、反論も碌にできずうーうー唸るだけの可愛いエルフメイドと成り下がってしまっている。彼女のドSっぽい態度が好きだったドMの皆様はこの姿を見てさぞ残念がるだろう。まぁ、別の方向性に目覚めるかもしれないが。

「ねえあれもしかして新手のからかい方なの?」
「うーん、微妙。楽しんでる可能性もあるけど、逆にあんな内容で楽しんでる時点でオーネストくんマジで丸くなってるよね。マルクス主義だね」
「意味わかんないわよ。ンなことより仕事なさい」

 この日、リューは素直オーネスト
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