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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 いけいけむてきのオーネスト
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せっかく磨き上げた作品(こども)をミリオンが無遠慮に触りまくって指紋でべたべたにしたんだよ!?」
「ンだとォ!?そんなもん触っちゃダメなら触っちゃダメって先に言えってんだよフー助ぇ!大体触っただけで品質が落ちる訳でもねぇだろうし!?第一ウチはゲストなんだぞゲスト!!丁重に扱えっつーの!」
「あのねぇ、失礼な客まで丁重に扱うほど私の心は広くないんですよ!?大体貴方みたいな薄汚れた不潔エルフなんて本当は頼まれたって泊めたくないっていうのに……!」
「………いつから工房に女連れ込んで乳繰り合う男になったんだか」
「ちょっと!?私が連れ込んだんじゃないっての!ギルドから頼まれて……」
「聞いた!?ちょ、聞いたかおいフー助!?女って!ウチの事女って!いやぁ〜やっぱり出来る男はそういうトコロが分かってるんだよなぁ!にじみ出るフェロモンを感じれるんだよお前と違って!!」

 オーネストは猛烈に面倒くさくなって帰りたくなったが、今日ぐらいはとグっと堪えた。

「で……俺のは出来てるのか?」
「ああ、勿論。君がなかなか戻ってこないものだから、埃を払うのが面倒だったよ。ほら、1Aの棚とB1の棚に」

 言われるがままに彼の工房の隅にある棚に近づく。棚の一番端――ほぼオーネストの特等席――にそれはあった。初めて受け取った時とは比べ物にならないほど細緻にオーネストの手に合わせられた籠手は、以前から更にデザインや組成が変化しているようだった。続いて脛当ても取り出すが、これもまた籠手と同じく変化している。

「今までのマイナーチェンジから随分飛躍したな」
「黒竜と君の戦いを、途中までとはいえ見たからね……前々から足りない、足りないと思ってたけど、今回は特別に悔しかった。その分だけ、今までとは比べ物にならないほど強化されてる。親方も珍しく文句を言わなかったよ」
「そうか――フー」
「なんだい?」
「ありがとう。そして……これからは、簡単に壊さないようにする」
「……へ?」
「それだけだ。じゃあな」

 装備品を手早く装着し、オーネストは工房を後にした。

「感謝?オーネストが?私に?はっはぁ、これはリアリティの極めて高い夢ですね。黒竜素材の剣を作るかどうか悩みすぎて夜更かししすぎたかぁ……」
「お礼言われただけでこの反応かよ……普段どんだけワルなんだよアイツ。顔はイケメンだけど」
「いやー夢の中とはいえミリオンも妙にリアリティのある反応するなぁ」
「おーい、現実だぞー。いやむしろ現実を見れ。ったく、ウチはお前の夢の中に出る程親しい仲かっつーの!」
「いや、私はミリオンさんの事可愛げあると思ってますよ。って夢の中で言ってもしかたないか。夢で寝れば現実に返るっていうし、おやすみ………」
「えっ、あっ……お、お休み……?――ってドサマギ
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