第百十四話 改革の元で
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ばとの事であった。
これらが皇帝の大権により帝国自体の改変の一石と成っていくのである。
帝国暦483年3月1日
■オーディン 軍務省
叙勲と叙爵と階級特進を受けたキルヒアイスは、非常に複雑な思いで悩みながら指定された軍務省人事局へ出頭した、しかも時間が指定されていた上に他の士官と一緒の車両で会ったため、ラインハルトに連絡すら出来ない状態で有る。
人事局でハウプト中将から新たな配属先が提案された。
「キルヒアイス大尉、卿にグリューネワルト伯爵邸を守る宮中警備隊からの移動願いと、宇宙艦隊からは駆逐艦艦長への推薦が来ている」
その言葉にキルヒアイスは絶句してしまった。
アンネローゼ様とのお約束がある以上、ラインハルト様を1人にする訳にはいかない。しかしアンネローゼ様を警備する事で何時でもアンネローゼ様とお会いできる。しかしラインハルト様は武勲をお望みだ、前線勤務であれば、直ぐに武勲を上げられる。そう考えると凄まじい葛藤がキルヒアイスの心の中で暴れ回る。
「いったい何故小官なのでしょうか?」
「聞くところに依ると卿はグリューネワルト伯爵夫人の幼なじみだそうだな、今回警備の強化により各夫人達には縁の者による警護をせよとの陛下の思し召しでな。艦隊の方は単に今回の事件で減った艦長職を求めているだけだそうだが」
「警備について、シェーンヴァルト少尉では駄目なのでしょうか?」
「卿も知っているように、彼は武勲を立てたいようだ、その為に前線勤務を求めているから、最初から想定外なのだよ、それに必要とされているのは大尉の中隊指揮官だからね」
キルヒアイスにしてみれば、非常に魅力的な提案であるが、アンネローゼ様から『ジーク、ラインハルトをお願いね』が耳に残っている為、一緒にラインハルト様と武勲を立てる為、お役に立つには、駆逐艦の艦長の職でないと、立てられない為に艦長職を受ける事に決めた。
その葛藤を見ていたハウプト中将が『猶予を与えよう』言ってくれたが、その場で駆逐艦の艦長の方を選択する事にした。
「閣下、ありがたいお言葉ですが、駆逐艦の艦長の方をお願いします」
「キルヒアイス大尉、本当に良いのだな?」
念を押すようにハウプト中将は聞いてくるが、キルヒアイスの決心は揺るがない。
「はい、お願いします」
「それならば、新造駆逐艦ナッサーブの乗員リストだ、副長は卿の自由に決めて構わん」
「シェーンヴァルト少尉でも宜しいでしょうか?」
「構わんよ」
キルヒアイスの言葉にハウプト中将は大らかに答えてくれた。
「では、副長はシェーンヴァルト少尉でお願いします」
「了解した」
その受け答えが終わると、キルヒアイスは人事部を退出して、ラインハルトの居る資料室へと走っていく。僕が艦長でラ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ