第三章
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応援を続けた、そして試合が進むにつれて周りの敵意が高まってきていた。
七回裏巨人の坂本がタイムリーを打って同点とした時に応援した時なぞだ、メガホンが後ろから飛んできた。
ゴミも飛んできた、周りの何人かは足を向けようとしていた。
「マジだな」
「本気だな」
「これで逆転して応援したらな」
「巨人がな」
見ればツーアウトだが二塁にランナーがいる、まさに一打逆転の状況だ。
「俺達どうなるかな」
「マジで袋だろ」
「拳強く握り締めてる人もいるしな」
「袋だな」
「その時は確実にな」
「ううん、ちょっと逆転したら」
鈴木も言うのだった。
「応援止めようかな」
「ああ、そうしろよ」
「そんなことしたら死ぬぞ」
「だからその時は止めような」
「流石にな」
「そうだね、その時は考えよう」
冗談抜きで命の危険があるからだ、鈴木もこう言った。幸いこの時巨人は逆転せずに何もなかったが試合は続き。
延長戦にも入った、その中でも応援を続け。
引き分けのまま終わった、それで彼等は球場を後にしたが。
帰る時にだ、周りからこれ以上はないまでにだった。敵意に満ちた視線を向けられた。無言だったがそれだけに怖かった。
それでだ、球場を出てからだった。彼等はほっとして言った。
「生きてたな」
「殴られなかったな」
「奇跡だな」
「引き分けでよかったぜ」
「若し巨人が勝ってたら」
「その時は」
それこそというのだ。
「死んでたよな」
「ああ、もうな」
「それこそな」
「どうなってたかわからいぜ」
「やば過ぎたからな」
その雰囲気がというのだ。
「東京ドームでも危なかったな」
「甲子園はどうだか知らないがな」
関東に住んでいるので彼等のうち誰も行ったことはないのだ。
「それでも東京ドームでも怖かったな」
「相当にな」
「もう止めた方がいいな」
「その方がいいな」
「そうだね」
言いだしっぺの鈴木も言う、今ここで。
「洒落になっていなかったからね」
「というかよくこんなこと考えたな」
「付き合った俺達も俺達にしても」
「阪神側で巨人応援するとかな」
「もう止めた方がいいな」
「そうだね、自殺行為だよ」
まさにそれそのものだとだ、鈴木は言った。
「もうしない方がいいな」
「そうだな、幾ら面白いことでもな」
「こんなことしない方がいいな」
「死ぬからな、本当に」
「これは止めような」
「そうだね、また面白いことをするにしても」
それでもとだ、鈴木はまた言った。
「流石にこうしたことは止めよう」
「命の危険があるしな」
「そうしたことは止めような」
部員達も口々に言う、そしてだった。
写真部の面々は東京ドームを後にした、ドームの前では黒と黄
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