0174話『秋刀魚漁、解禁』
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ね。気にせずに行きましょうか榛名提督」
それで背後で笑っている龍田と怖がっている天龍を横目に流しながらも私達は町内会へと顔を出す。
「町長さん、いますか?」
「おー、提督さん方。よくおいでになりましたね。待っていましたよ。ちょうど私達も話し合っていたところなんですよ」
町長さんに歓迎されて私達は席に着かせてもらう。
「さっそくですが、提督さん方にお願いがあります。今日から解禁になりました秋刀魚漁で艦娘の子達に船団護衛をしてもらいたいと思っているんですよ」
「それはこちらもお願いにしに来たものですから快く引き受けますよ」
「はい。大本営からも秋刀魚漁の支援をお願いするというお達しを受けていますから」
私と久保提督でそう言葉を繋げると町長さんを始めとし町内会のメンバーの方々はどこかホッとしたような顔つきだった。
以前になにかあったのだろうか……?
思い当たるとすれば、
「その反応から察しますともしかして話に聞く前の提督となにかありましたか……?」
「ええ、まぁ……」
それで町長さんを始め漁業関係者の人達も思い出しているのか苦い表情になっていた。
「以前に話しましたがあの時の提督は暴虐の限りを尽くしていましたので秋刀魚もほとんどが提督の手に落ちてしまってただただ無駄足ばかりを食わされましたもので……」
「そうだぜ! 俺達がせっかく漁で取ったものを奪われちまったからたまったもんじゃなかったぜ!」
「そうだな」
「ああ……」
口々に以前の提督の悪口が飛び交う場で私と久保提督はどうしたものかと途方に暮れていると、
「みんな、静まりなさい。今ここで愚痴っても提督のお嬢さん方には何の得にもなりませんよ」
「そうだな……」
「悪かった、提督さん……」
町長さんの一声でなんとか町の人達は声を収めてくれた。
よかった……。あのままだったら少しお腹がキリキリしそうだったから。
「話は戻りましょう。提督さん方、漁をする場所や時間などの指定などは随時鎮守府へとお知らせしますのでその時はどうぞよろしくお願いしますね」
「わかりました」
「お任せください」
それで一度会談は終了した。
その帰り道の事、
「なんかよー……前にも聞いたけど前に赴任していたっていう提督はかなりのクソだったんだな」
「ああ。それにはオレも同感だ。町と一丸になってやっと取れる秋刀魚漁なのにそれを根こそぎ奪うとか馬鹿らしいぜ」
二人の天龍がそう言って前任の提督の愚痴を開始していた。
それで私達も二人の言い分に納得できる部分もあるだけに二人の愚痴を止めることが出来なかった。
「まぁまぁ天龍ちゃん達、落ち着いて〜」
「そうよ〜。もう過去の人の事を話していてもしょうがないでしょう〜? 前を向いて
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