暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第2章
戦闘校舎のフェニックス
第17話 喧嘩、売ります!
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らねぇぞ」

 とはいっても、正直、この可能性が一番高そうなんだけどな。

「木場はなんか知ってるか?」

 イッセーは途中で合流した木場に訊く。

「僕は何も知らないけど、でも、僕も明日夏くんの推察が一番可能性が高いとは思うよ」

 木場も同意見か。

「朱乃さんなら何か知ってるかな?」
「あのヒトは部長の懐刀だから、おそらくは──ッ!?」

  部室の扉を前にして、木場が突然立ち止まって目を細める。
 かくいう俺も、木場と同じ反応をしていた。

「・・・・・・ここに来て初めて気づくなんて・・・・・・この僕が・・・・・・」
「・・・・・・まったくだ・・・・・・しかも、自然体でこれか・・・・・・」

 ここまで来て、ようやく、部室内に相当な力を持った存在がいることに気づいた。
 これだけの力を持ちながら、ここまで近づかなければ気配に気づけなかった。しかも、気配の感じから、自然体な状態で気配を消していた。相当な実力者だな。
 イッセーとアーシアはわけがわからないといった様子だったが、千秋に鶫、燕は俺たちと同じように気づいたようだ。
 イッセーは俺たちの様子に訝しげになりながらも、部室の扉の取っ手を掴む。

「ちわーっス」

 イッセーが扉を開けたことで、室内の様子が目に入ってきた。
 部長、副部長、塔城と、あと一人──銀髪のメイドの姿があった。
 メイドの正体は間違いなく、昨夜(さくや)、イッセーの部屋に現れたメイド。名前はグレイフィアさんだっけか。
 部長は見るからに機嫌が悪く、副部長も表情こそいつも通りのニコニコ笑顔だが、纏っている空気が冷たい。塔城も、ソファーに座って我関せずな態度だ。

「全員揃ったわね?」

 俺たち、というより、イッセー、アーシア、木場を確認した部長が何かを話そうと立ち上がる。

「お嬢さま、わたくしがお話ししましょうか?」

 そう申し出るグレイフィアさんを部長は手で制する。

「実はね──」

 カッ!

 部長が口を開こうとした瞬間、部室に魔法陣が出現する。
 部長たちが使っているのとは紋様が違っており、魔法陣から炎が巻き起こって部室内を照らしだしていた。

「・・・・・・フェニックス・・・・・・」

 木場の呟きと同時に炎がさらに燃え上がり、炎が収まると、そこには赤いスーツ姿の一人の男が後ろ向きで佇んでいた。

「ふぅ、人間界はひさしぶりだ」

 男が振り返る。
 その顔はなかなかに整っていて、赤いド派手なスーツと相まって、なんかホストみたいな感じだった。

「会いに来たぜ、愛しのリアス」

 男は部長を視界に捉えると、そんなことをのたまった。
 だいたい把握した。この男の正体を。

「誰だ、こいつ?
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