第2章
戦闘校舎のフェニックス
第17話 喧嘩、売ります!
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「私の貞操は私のものよ。私の認めたものに捧げることのどこが悪いのかしら? それから、私のかわいい下僕を下賎呼ばわりするのは私が許さないわ。たとえ、兄の『女王』であるあなたでもね」
メイドさんの言葉に部長が不機嫌になり、俺のために怒ってくれる。
一方、メイドさんは床に脱ぎっぱなしになっていた部長の服を拾う。
「何はともあれ、あなたはグレモリー家の次期当主なのですから。ご自重くださいませ」
メイドさんは拾った上着を部長の体にかけると、視線を俺や千秋たちのほうに向ける。
「はじめまして。わたくしはグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後お見知りおきを」
「あ、はい!」
改めて見ると、本当に美人で綺麗なヒトだなぁ。
ぎゅぅぅぅっ。
なんて見惚れてたら、部長に頬を引っ張られてしまった。痛い、痛いですよ、部長!
部長はすぐに手をはなすと、フッと微笑む。
「ごめんなさい、イッセー。私も冷静ではなかったわ。お互い忘れましょう」
部長はそう言うと、今度は千秋たちのほうに向き直る。
「あなたたちも騒がせてごめんなさいね。特に千秋には非常に不愉快な思いをさせたわね」
そう言って頭を下げる部長。
「イッセー? まさかその方が?」
「ええ。兵藤一誠。私の『兵士』よ」
「・・・・・・『赤龍帝の籠手』を宿し、龍の帝王に憑かれた者。こんな子が・・・・・・」
グレイフィアさんが俺のこと驚愕したような表情で見てきた。
な、なんなんだよ? なんの話だ?
「話は私の根城で聞くわ。朱乃も同伴でいいわね?」
「『雷の巫女』ですか? 構いません。上級悪魔たる者、かたわれに『女王』を置くのは常ですので」
そこでいったん話が途切れて、部長が再度こっちを向いた。そして、ベッドに腰掛ける俺に目線を合わせる。
「迷惑をかけたわね、イッセー」
「い、いえ・・・・・・」
チュッ。
頬に触れる部長の唇。て、えええええええっ!? 俺、部長にキスされた!
「今夜はこれで許してちょうだい」
そう言うと部長はグレイフィアさんと一緒に魔法陣でどこかへとジャンプしていった。
い、一体なんだったんだ?
―○●○―
朝、今日は早朝特訓はなしになり、そのままイッセーたちと学校に向かっていた。
「なあ、明日夏」
「なんだ?」
「部長ってなんか悩みがあるのかなぁ?」
まぁ、昨夜のようなことがあれば、さすがにそう思うか。
「俺の推察でよければ聞くか?」
「ああ、それでいいよ」
イッセーに俺の推察を話そうと──。
ドガッ!
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