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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十話 最果ての果て
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降りて、別の山を登ろうとしないから。
だけど俺は楽しい。
新しい世界を歩くことが楽しい。
新しい山を登るのが楽しい。
違う景色を楽しめるからこそ、俺は行ける。
この世に存在し、新たに生まれる無限の武器、無限の魔法。
それを全て極められる可能性は、天才も凡人も関係ない。
好きか嫌いか、それだけだ。
「ぐっ、お……らっ!」
鮮血の飛沫をあげながらも、俺の追撃を防ぐためにアイツは剣を我武者羅に振るい、前方に黒炎の壁を作り出す。
炎の壁は俺が蹴り飛ばした刀をはじき飛ばし、俺はキャッチして後ろに飛ぶ。
《デバイスを蹴飛ばすとは感心しませんね》
キャッチの瞬間、アマネから不満の声が放たれ、苦笑混じりに謝罪する。
「あはは……ごめんなさい」
《いいえ。 次からは私も蹴飛ばされることを想定してマスターと付き合っていくことにします》
「サッカーボールは友達的な?」
《デバイスにも怒りの感情はあるんですよ?》
「ごめんなさい!」
低い声で淡々と言い放つあたり、既にマジギレのご様子。
戦いの高揚感で調子乗っていた俺は即座に謝罪し、頭を冷やす。
「正直、今が一番楽しいんだ。 遊んでるつもりはない。 だけど、刀の剣術だけじゃない。 もっと色んな武器の技ができる……それが楽しんだ」
様々な武器の、様々な技。
仲間や敵、憧れの存在たちが見せてくれた。
俺の持つ見切り、そして模倣は、俺に新たな可能性を紡ぎ出してくれた。
模倣再現。
刀やこの身で、全ての技を再現していく。
その楽しさが生み出す高揚感。
長いこと忘れていた感覚だ。
原点に帰ったような、そんな気持ちだ。
《では、この戦場を存分にご堪能ください》
「そうしよう」
アマネの言葉に頷くと、黒炎の壁が消え、そこからアイツが左手で傷口を押さえながら現れた。
右手で握った剣はまだ真っ直ぐに構えたままだ。
その目の闘志は燃え尽きていない。
「獄炎の世界よ。 災厄の剣に従い、仇なす敵を焼き尽くせ!」
アイツが言い放ったのは、詠唱。
恐らく何かの魔法だ。
俺は何が現れるか警戒していると。
《後ろです!》
アマネの声に反応し、その場から大きく上に飛ぶ。
すると足元を黒炎の鎖が伸びて俺を縛り付け、焼き尽くそうとしていた。
「ま、また鎖かよ……」
もう二度と見たくなかったので、まさかすぐまた見ることになろうとは思わず、苦悶の表情になる。
今日は鎖に狙われる一日になりそうだ。
そう思いながら、視線をアイツに戻す。
そこには
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