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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十話 最果ての果て
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なんとかその場で浮いていることができるが、気を緩めれば一瞬で意識を失って落ちてしまうだろう。
ああ、そういえば、もう倒れていいんだ。
倒すべき敵は倒した。
あとは他のみんなに全部任せて、俺は休もう。
そう思い、俺は力を抜いて、目を閉じた。
「黒鐘君ッ!」
あれ、なのはの声が聞こえる。
「黒鐘ッ!」
フェイトの声も聞こえる。
「黒鐘ッ!」
これは雪鳴。
「お兄ちゃんッ!」
柚那の声も。
なんで、みんなの声がこんなにハッキリ聞こえるんだ?
あ……もしかして俺、死んじゃう?
これって女神様が俺の魂のお迎えに上がりましたみたいな、そんな感じのやつですか?
もう疲れたよパトラ○シュ的な最終回ですか?
生きて帰る予定だったのに、失敗したかな。
「ごフッ!?」
なんて思っていた俺の前方、後方、左右から同時に何かが物凄い勢いで突撃してきたようで、耐えようのない激痛が襲いかかる。
いや、ホントにもう耐えられるほどのHPはありません、はい。
「って……みんな?」
目を開けると、そこには本当になのは、フェイト、雪鳴、柚那がいて、四方向から俺を抱きしめていた。
どうやら落下するのを止めてくれたようだ。
「お疲れ様、黒鐘君!」
正面から、涙を流しながら、なのはは俺を労ってくれた。
「かっこよかったよ、黒鐘!」
右隣で、同じくフェイトも泣きじゃくりながら、俺を褒めてくれた。
「黒鐘のこと、惚れ直した」
左隣で、いつもは淡々とクールに話す雪鳴も、今回ばかりは泣きじゃくりながら思いの丈をぶつけてくれた。
「やっぱりお兄ちゃんは、アタシの目標です!」
背後で、涙で掠れながらも、誇らしげに声を張る柚那に、俺も素直に嬉しいと感じた。
みんな、俺のことを想ってくれていたんだと改めて実感する。
俺も溢れ出る想いを込めて四人を抱きしめる。
残された力じゃギュッと抱きしめることはしてあげられないけど、四人は胸の中で嬉しそうに微笑んでくれた。
ああ、これだ。
この笑顔を見るために、俺は戦ったんだ。
この笑顔を守るために、俺は勝利を掴みとったんだ。
この笑顔のためだけに、俺は生きようと思えたんだ。
五年前、家族を失ってから俺の中で欠けてしまったものを埋めてくれた少女たち。
彼女たちがいたから、俺はあの時、死の世界を超えるための一歩を踏み出すことができたんだ。
これまで、きっとこれからも、彼女たちの存在は、俺を更に先へ突き進めてくれるだろう。
だから俺は、万感の想いを込めて、四人に言っ
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