第四章
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「さもないとおねしょとかするから」
「もうそんなのしないよ」
「私達もそんな歳じゃないから」
「それでまたそう言うなんて」
「お姉ちゃん心配し過ぎ」
「おねしょしなくても夜起きるでしょ」
このことが問題だというのだ、今は。
「それでお姉ちゃんにおトイレついてきてって言うでしょ、一人じゃ怖いからって」
「もうそんなの言わないよ」
「昨日もそう言ってたけれど」
「一昨日もね」
「毎日言ってるけれど」
「そんなのないから」
「あるから言ってるのよ、とにかくおトイレに行ったらすぐに寝なさい」
こう言って妹達を寝かせてだった、自分もやることをやって寝てまた翌朝だった。とかく早苗の家での生活は多忙だった。
それで学校で家のことをぼやくが友人達はその彼女に言うのだった。
「早苗ちゃん顔生き生きしてるのよね」
「家の生活は大変みたいだけれど」
「よく怒ってるみたいだけれど」
「それでもね」
「ううん、確かに大変だけれど」
早苗自身友人達の指摘にこう返した。
「充実はしてるわ」
「そうよね、だからね」
「お顔は生き生きとしてるわよ」
「充分にね」
「ううん、何かやること多くて考えることに言ってることが一杯で」
家に帰るともうそういうことばかりでというのだ。
「いつも動いてるからかしらね」
「そうじゃない?やっぱり」
「何しろ兄妹のお母さんだから」
「それでね」
「そうね、退屈はしないし怒ることはあっても」
それでもとだ、自分から言う早苗だった。
「毎日充実していて楽しくはあるわね」
「そうよね、お家でも」
「大変な中で」
「笑うことも多いし」
兄妹で一緒にだ。
「何かお兄ちゃんがお父さんでね」
「早苗ちゃんがお母さん」
「そんな感じなのね」
「まああっちのお父さんは手間もかからないけれど特に手伝ってもくれないけれど」
このことは笑って言った。
「それもリアル夫婦みたいってことで」
「そのうえでやっていく」
「これからもね」
「そうしていくわ、じゃあ今日も家に帰ったら」
その時のことをだ、早苗はもう考えていた。
「兄妹に御飯作って色々言ってさせて」
「そうしてよね」
「頑張るのね」
「ええ、そうしていくわ」
こう友人達に言って実際にだった、早苗は兄妹の二番目一番上の女の子として頑張った。そうして毎日充実感を味わっていた。
七人兄妹の二番目 完
2017・9・28
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