第二章
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「お姉さんとしてだ」
「やっていけっていうのね」
「そうだ、いいな」
「お母さんが忙しいながらも家事してくれてお兄ちゃんがしっかり者で何よりだわ」
「ははは、いい兄を持って幸せだな」
「その分弟と妹が全員手がかかるけれどね」
むっとした顔で返した早苗だった、とにかくだった。
早苗は七人兄妹の一番上のお姉さんとして兄妹達をまとめいつも世話をしていた、それは朝早くからでだ。
朝起きると弟と妹達にだ、雷の様な声で言った。
「起きなさい!」
「早く御飯食べなさい!」
「歯磨きをして顔も洗いなさい!」
「忘れものないわね!」
「学校に行ってもしっかりしなさい!」
こう言ってだ、五人を無理にでも朝の支度を全部させてだった。
自分も学校に行く、勿論早苗自身も食べて歯磨きをして顔も洗って忘れもののチェックもしている。
そうして登校するがだ、学校ではこう言うのだった。
「いや、学校が一番落ち着くかも」
「家じゃ家族がいてよね」
「弟さんや妹さん達が」
「合わせて五人ね」
「五人全員の面倒を見ないといけないからよね」
「だからね」
それでとだ、早苗は友人達にほっとした顔で言うのだった。
「もう毎朝大変よ、それでね」
「帰ってもっていうのね」
「夜も」
「何かと」
「晩御飯食べさせて」
勿論自分も食べる。
「そうしてお風呂もあるし」
「それで寝かしてよね」
「宿題とかもさせて」
「大変っていうのね」
「私自身のこともあるし」
早苗も高校生なのでだ、忙しいことは忙しいのだ。
「本当にお家にいたらよ」
「休まる暇がない」
「だから学校が一番落ち着く」
「そんな状況なのね」
「そうなの、授業とかホームルームの時に落ち着いて」
そうしてというのだ。
「部活の時によ」
「ストレス解消ね」
「思いきり身体動かして」
「そうしてるのね」
「そう、レシーブとか最高よ」
ストレス解消にというのだ。
「もうね」
「それで随分手の力強くなったのね」
「弟さんや妹さん達のお尻を叩くにも」
「随分と強くなったって前言ってたわね」
「そうなったわ、だから今じゃお尻叩くわよって言ったら」
早苗が弟や妹達にだ。
「もうそれで言うこと聞くから」
「そこまで怖がられてるのね」
「何か本当にお母さんみたいね」
「お尻叩くって言ったら言うこと聞かれるって」
「それってね」
「そうね、お尻叩きたい訳じゃないから」
早苗としてはそうしたつもりは全くなかったのだ。
「私としてはね」
「だからなのね」
「そうなっても嬉しくない」
「そうだっていうのね」
「そうよ、というか兄妹が多くてその中で女の子で最初に生まれたら」
父に言われたことを思い出してそのまま言った。
「も
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