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SAO−銀ノ月−
殺害
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「ピナも麻痺ブレスで援護します!」

「……リズ」

 誰も彼もが自らの役目を自覚して戦闘準備を完了させていくなか、とにかくショウキの元に急ぐリズに対して、キリトが優しく語りかけた。とはいえ余計なことをする時間があるはずもなく、ただ一言だけの短いものだったけれど。

「ショウキも何か、考えがあるはずだ」

「考え……?」

「俺には分からないけど、ショウキだってそんな考えなしじゃないさ。……よし、みんな行くぞ!」

「ええ!」

 それ以上を語ることはなく、キリトはメンバーに号令をかけて翼を展開する。そのままダンジョンめいた――実際問題ダンジョン扱いの横穴から脱出し、こちらを包囲するデジタルドラッグの服用者たちに襲いかかっていった。……それでもリズの心中からは、嫌な予感は消えることはなかったけれど、だからこそ間に合わせるべく翼を力強く羽ばたかせて。

「リズ……」

「リズ、落ち着いてくれ。ショウキさんならきっと、大丈夫さ」

「ありがと、ルクス」

 リズが包囲網を突破するまで直衛をしてくれるルクスが、並んで飛翔しながらも元気づける言葉をかけてくれる。リズにとっては気休めだとしても、そうやって言葉を紡いでくれる優しさを持ったルクスは、先のキリトとともに非常にありがたいのはもちろんのことだけれど。リズが心配しているのは――

「どきなさい!」

 ――自らの前に立ちはだかったデジタルドラッグの服用者に対して、力強くメイスを振りかぶってリズは叫んでいた。どうか自分が想像する最悪の事態が訪れる前に、彼のもとに間に合うように、と。


「そういえば、最初に会った時もこうして、街角デートしたっけ!」

 ……完全決着デュエルに同意したリーベが最初に起こした行動は、ひとまずリズベット武具店から出ていくことだった。室内での戦いは得物の長さから得意ではないため、戦いの場を外に移すことは望むところだったが、リーベはさらに路地裏へと歩を進めていく。シンデレラ気取りのガラス製ハイヒールとは思えないほど、疾走する彼女に手を抜いていては追いつくことは出来なかった。

「あの時はこうして、恋人になるなんて思ってもみなかったね……」

 とはいえ路地裏であってもただの街中なので、《GGO》の時のように先回りした場所に罠があるなどということは考えにくく、単純に人気のない場所へと誘導しているにすぎないのだろう。全力で追いすがれば阻止できるかもしれないが、そんな体力の無駄遣いをする気はなく、おとなしくリーベの誘導に従っていく。

「もう! せっかくのデートにそれじゃ台無しじゃん!」

「…………」

「まあ、そんなところが好きなんだけどー」

「……もういい」

 そうしていれば、見たこともな
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