第百十三話 茶番の終了と亀裂の始まり
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スであった。
その後皇帝が式場から姿を消し、厳かな式典が終わると、会場にはホッとした空気が流れた。
今回の叙勲は程度により、第一級、第二級、第三級双頭鷲勲章が叙勲され、平民には帝国騎士を、帝国騎士には男爵を、爵位持ちには一階級上の爵位が叙爵され、領地、終身年金、高利回り証券などが下賜された。
その結果、キルヒアイスは帝国騎士から男爵となり、新たに両親共々キルヒアイス男爵号と終身年金、高利回り証券と標準男爵屋敷が下賜され、キルドルフは平民から帝国騎士となり、終身年金が下賜されたのである。
今回の叙勲、叙爵で少数の帝国貴族と多くの帝国騎士が誕生した。殆どの彼らは陛下の温情に感謝しますます陛下への忠誠度が上がっていったのである。
彼ら新貴族や新騎士が後々まで、フリードリヒ4世とテレーゼの強力な手足となっていくのである。
また、彼らの活躍と陛下の温情を聞いた下級貴族、帝国騎士、平民の間でますますフリードリヒ4世への敬愛の情が深くなり、元々高かった陛下に対する軍の支持率の上昇として現れたのである。
この日の主な叙勲及び叙爵名簿
グリンメルスハウゼン大将→上級大将 第一級双頭鷲勲章 伯爵
キルヒアイス准尉→大尉 第一級双頭鷲勲章 キルヒアイス男爵
キルドルフ大尉→大佐 第一級双頭鷲勲章 帝国騎士
カール・マチアス・フォン・フォルゲン中佐→少将 第一級双頭鷲勲章 ランツベルク子爵
ハルテンブルグ伯爵→第一級双頭鷲勲章 侯爵
ニードリヒ大佐→少将 第一級双頭鷲勲章 帝国騎士
キスリング中尉→少佐 第二級双頭鷲勲章 帝国騎士
その他叙勲、叙爵者多数。
■オーディン 軍務省 事務局
ラインハルト・フォン・シェーンヴァルト少尉は先頃のカイザーリング艦隊におけるサイオキシン麻薬密売組織撲滅摘発時に何も出来ないようにされていたために、何ら功績を挙げられずに配属先が消滅したため、功績を挙げたキルヒアイスと違い、称される事もなく取りあえずの暫定処置として軍務省の事務局で書類整理を命じられていた。
「全く、何でこの俺が椅子に座って書類整理をしなければ成らないんだ!大体俺にジッとしているという事を命じるとは、悪意を感じる!」
たった一人で書類と格闘しながらブツクサと言っている姿はある意味異様である。
「しかも、ノイエ・サンスーシに万が一の事態が有ることを憂慮し姉上に会うことも許され無いのだ 、しかももう九ヶ月だぞ!つくづく連中が忌ま忌ましい。これでは、何時になったら、姉上をお救い出来るのか、このような書類仕事などより、早く前線へ行き、武勲を挙げなけれならない」
話し相手のキルヒアイスが式典参加中なために、ぶつくさと独り言を言いながら仕事をしている。
「大体キルヒアイスもキルヒア
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