第百十三話 茶番の終了と亀裂の始まり
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った。殆どは余計なことをしてくれた憎き輩としてであったが。
皇帝の言葉にカール・マチアス・フォン・フォルゲンは深々とお辞儀を行い御礼を述べるしかない。
「ありがたき幸せ」
本人にしてみれば、本来であれば処刑されても仕方ないところを、政治的な考えから生かされているのであり、そのことを説明されたために、この後エリザベートとの結婚後は所領の星に引きこもり予備役少将として生活を行うことになった。
彼の言葉として『たとえ囮捜査とはいえ、サイオキシン麻薬の密売を行ったことは、帝国に対する罪でございます。その私がオーディンで普通に生活する事など良心が許せません、ここに全ての官職を辞することをお許しください』と記されていた。
エリザベートにしても、マチアスさえいれば良かったので、田舎暮らしを満喫していった。
実際はマチアス自身は監視付きの執行猶予という感じであったが、他の貴族からの増悪を受けていたので命が助かるだけでもましと考えていたようだ。
続いてサイオキシン麻薬密売組織の長を検挙した。リューゲン星の憲兵隊が次々に褒賞を受けていく中、キルヒアイスは自分1人で手柄を立ててしまった事で、ラインハルトに申し訳が立たないと考えながら、式典の順番を待っていた。
「帝国軍大尉エミール・キルドルフ」
キルドルフがフリードリヒ4世の前に進み出る。
「今回のリューゲンでのカイザーリング艦隊で憲兵隊に協力した働き、誠に見事じゃ、そち達が居なければカイザーリング艦隊がサイオキシン麻薬密売組織だと判らぬ所であった、そちに双頭鷲勲章を与え、大佐へ昇進と共に帝国騎士に叙爵する事とする」
皇帝の言葉にキルドルフは深々とお辞儀を行い御礼を述べる。
「ありがたき幸せ」
そして遂にキルヒアイスの番が来たのである。
「帝国軍准尉ジークフリード・フォン・キルヒアイス」
キルヒアイスがフリードリヒ4世の前に進み出る。
「今回のリューゲンでのカイザーリング艦隊で憲兵隊に協力した働き、誠に見事じゃ、そち達が居なければカイザーリング艦隊がサイオキシン麻薬密売組織だと判らぬ所であった、そちに双頭鷲勲章を与え、大尉へ昇進と共に男爵に叙爵する事とする」
皇帝の言葉に困惑しながらもキルヒアイスは深々とお辞儀を行い御礼を述べる。
「ありがたき幸せ」
お礼をするキルヒアイスであったが、その心境は非常に複雑だった。
ラインハルト様を階級で抜いてしまった、ラインハルト様は来月やっと中尉になる、所が自分は大尉になってしまった。このままだとラインハルト様と一緒に居る事が出来ない。アンネローゼ様とのお約束を守る事が出来ないでは無いかと。しかも自分が男爵に叙爵とは、これもラインハルト様と同格になってしまった。自分はどうしたら良いのだろうかと、悩むキルヒアイ
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