ペルソナ3
1833話
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「ここは俺に任せろ! うおおおおっ!」
そう叫びながら、真田はカブトムシのシャドウに向かって突き進んでいく。
そんな真田を待ち受けるように、カブトムシのシャドウは角を突き出す。
どうやら、今までのシャドウとは違って、魔法の類を使ったりはしないらしい。
「はぁっ!」
真田は突き出されたカブトムシのシャドウの角を回避しつつ、その身体に向かって拳を放つ。
だが……カブトムシの外殻というのは、虫の中でも相当固い部類に入る。
それこそ、人間の拳でどうこう出来る相手ではないと思える程に。
あくまでも、この世界の人間には、だが。
ともあれ、真田もそれは理解したのだろう。振り回されるシャドウの角を回避しながら後方に跳躍し、着地すると召喚器を頭部に向けてトリガーを引く。
「ペルソナァッ!」
その言葉と共に姿を現したのは……何だろう。分類的に言えば、鎧を着た人型のペルソナと言うべきなのか?
何気に、ゆかりのイオ以外では初めて見るペルソナだった。
イオは牛の頭蓋骨の上に乗っている、鎖で縛られた女というペルソナだったのだが……ペルソナは、人によって大きく変わるらしい。
ともあれ、真田のペルソナはカブトムシのシャドウに向かって素早く拳を振るう。
……って、おい。結局拳なのかよ。
てっきり魔法でも使うのかと思っていたのに。
それでもペルソナの拳は真田の……人間の拳とは違い、カブトムシのシャドウを吹き飛ばし、多少なりともダメージを与えてはいた。
何と言うか、真田が肉体派の脳筋だと、ペルソナまで同じような感じになるんだな。
まぁ、それが決して悪い事だとは言わない。
だが、それでもどうせならもっと向こうに合わせて、魔法をメインに使って欲しかったと思うのは、俺だけではないだろう。
実際、カブトムシのシャドウは吹き飛ばされはしたものの、それは決して致命的な一撃ではなかったらしく、あっさりと向き直る。
このままでは、真田が負ける……とは思わないまでも、決着が付くまでに時間が掛かるのは間違いない。
あのカブトムシのシャドウも、こうして見たところ真田と同じ肉体派だし。
しょうがない。
「ゆかり」
その一言だけで、ゆかりも俺が何を言いたいのか分かったのだろう。
ショートボウではなく、召喚器を手にして1歩前に出る。
「イオ、ガル!」
その言葉と共に、ゆかりのペルソナのイオが姿を現す。
「これが、岳羽の……」
牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女というイオの姿を初めて見た桐条がそんな声を発する。
まぁ、基本的にペルソナというのは、色々と珍しい姿をしてるからな。
他人のペルソナを見れば、驚くのは当然だろう。
もっとも、ゆかりのイオは真田のペル
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